■刻とは何か
刻(こく)は、漢字文化圏で使用される時間・時刻の単位である。様々な長さの「刻」があり、同じ時代の同じ地域でも、複数の「刻」が並用されていた。最初にできた「刻」は、1日を48等分するものであった。「刻」という名称は、漏刻(水時計)の刻み目に由来するものである。漏刻には48の刻み目がつけられており、昼夜それぞれ24の刻があった。すなわち、この1刻は30分に相当する。これとは別に、1日を100等分する「刻」もあった。1日は86400秒であるので、1刻は864秒(14分24秒)に相当する。なお、「刻一刻」の「刻」はこちらの意味である。漢代になると、48等分の刻を4つまとめて、1日を12等分して夜半から十二支を順に振る制度ができた。他の刻と区別するために、「辰刻」(しんこく)とも呼んだ。この刻は2時間に相当する。48等分の刻は、辰刻を4分割する一種の補助単位として使用され、「子の一刻」「寅の四刻」などと呼んだ。日本では、12分割の刻は室町時代ごろから不定時法となり、季節によってその長さが異なるようになった。100分割の刻は天文や暦学の分野で使用され、明治時代に西洋の時法が導入されるまで等分のままであった。また、暦にも、100等分の刻で表した昼間の長さが記入されたものがあった。それによれば、春分・秋分には昼の長さが50刻、冬至には40刻、夏至には60刻となる。また、1つの辰刻を上中下に3分する「刻」もあり、「子の上刻」「寅の下刻」などと呼んだ。どの「刻」も、明治時代に西洋の時法が導入された後は使われなくなっている。中国においては、明代に西洋の時法が導入されたが「刻」は使われ続けた。ただし、100等分であった刻は、12で割り切れる数として96、108、120等分などと変遷し、清代に1日の96分の1(ちょうど15分)と定められて現在に至る。
■龍野の刻
もう一度、播州の小麦で作ってみたい。淡口醤油(うすくちしょうゆ)のシェアが日本一の老舗醤油屋「ヒガシマル醤油」(兵庫県たつの市)が、40年間引きずってきた悲願だった。仕入れ担当者と卸問屋。意気投合した熟年の2人が、醤油原料に最適な高たんぱく小麦の産地化を仕掛けた。徐々に同社の使用小麦の地場産シェアを引き上げて、2005年秋には地場産麦だけで作った高級醤油「龍野の刻(とき)」が完成した。
■那由多の刻
厳選されたそばを原料に、九州山地の清冽な水で、宮崎・五ヶ瀬蔵の熟練の蔵人達により丁寧に仕込まれた本格そば焼酎の原酒を、長期に渡りトンネル貯蔵庫の樫樽の中で貯蔵熟成しました。豊かな香りと、まろやかなコクの深い味わいです。2007年7月にロンドンで開催された国際品評会『第38回 IWSCインターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション』において、長期貯蔵酒の「那由多の刻」が本格そば焼酎部門の金賞およびカテゴリー部門最高位とされるベストインクラス(Best in class)に選ばれました。
■刻の一滴
フランスピノ・ノワールワインの貯蔵・熟成に使われた樽で貯蔵した麦焼酎。本格麦焼酎の香ばしい香りとフランスピノ・ノワール樽で貯蔵したことによるカカオやバニラのようなふくよかな香りが特長。赤ワイン樽で熟成することによって、麦焼酎特有の粗さがまろやかになり、すっきりとした味わいを実現しています。