ぎょ(674) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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魚革(5)


かわどう1


剣道に用いられる革胴です。


かわどう2


実際には牛革ですが、とても美しい鱗模様が型押しされています。


かわどう3


■井戸茶碗について、梅花皮(かいらぎ)の話が面白い。


かいらぎ1


韓国では蛙のことを「ケグリ」といい、卵のことを「アル」というそうだ。続けると「ケグリアル」になる。この発音が日本へ伝わって変化し「カイラギ」になったのだという。春先に水に浮かぶ蛙の卵はまさに梅花皮に似ている。高台のところを飾る梅花皮がどうしてできるのか・・・あれは蓮の葉の上に落ちた水玉のように釉薬が丸い粒状になったもの。しかもこれは、韓国人の美意識からは外れたものであるという。


かいらぎ2


韓国人にとって梅花皮は焼き損ない、出来損ないの見本だった。ところが、朝鮮に渡った当時の武将茶人たちが、その景色を刀の柄にまく鮫の皮の風情に似ていたことからこれを尊んだ。今日、井戸茶碗を作る陶工は、昔の韓国の失敗作を必死に目指しているわけで、誠に妙な話ということになる。


かいらぎ3


■井戸茶碗

井戸茶碗は高麗茶碗の一種で「一井戸、二楽、三唐津」という言葉が示す通り、茶人の間で大変珍重されてきました。制作された年代は600~700年前とも、もう少し新しいとも言われていますが、定かではありません。それまで唐物(中国で生産されたもの)が多かった茶碗の世界に入ってきた純朴で力強い井戸茶碗は茶人の好みとも合い、高麗茶碗流行の火付け役となりました。また和物茶碗(日本で焼いたもの)にも強く影響を与えることとなりました。井戸茶碗の語源については定説がなく、さまざまな説があります。


かいらぎ4


A)朝鮮出征のとき、井戸若狭守覚弘という人が持ち帰ったとする人名説。

B)井戸という言葉が「深い」をさす。すなわち、見込みが深い茶碗という意味。千利休の命名とされる。

C)韋登という朝鮮の地名から来ているとする説。現在の慶尚南道の普州付近とか、北朝鮮とする説もあるが、特定されていない。ちなみに萩焼の開祖李勺光、李敬兄弟はこの韋登出身とされている。

D)朝鮮語で釉薬のことを衣土と表すことから来たとする説。

E)井戸の底から掘り出されたとする説。

F)天竺、つまり印度から井戸に転化したとする説。


かいらぎ5

■井戸茶碗に関する用語

●大井戸 大振りで高台が高く、最も井戸茶碗の特徴を備えている。名物が多いので名物手とも呼ばれている。

●小井戸 全体的に作りが小さく、高台も低めのもの。古井戸と表記されることもあるが、特に年代が古いわけではない。

●青井戸 もともとは還元炎で焼かれた青みを帯びたものを青井戸と言ったが、現在ではむしろ、平らめの井戸茶碗をさすことが多い。

●井戸脇 青井戸茶碗に似ているが約束事が少しずつ甘いもの。

●小貫入 小井戸に似ているが、甘いもの。井戸脇、小貫入は約束事が甘いため下手粗品とされるが、かえって別な特徴を持っていて見所のあるものもある。

●カイラギ(梅花皮、鰄)かえらぎ、かえらげとも言う。高台脇に現れた釉の縮れのことで、井戸茶碗の見所の一つ。土と釉の相性が悪い場合に出てくる。もともとはさめやエイの皮のことで、表状が似ているところから、梅花皮とあてるようになった。


かいらぎ6