魚革(3)
■カワハギ(皮剥)フグ目カワハギ科カワハギ属
体の構造がフグ・ハリセンボン・マンボウ等と同じなので、フグ目に属している。カワハギの仲間は種類も多く約24属100種あり、モンガラカワハギ科は12属50種で日本近海に8属12種が知られており、カワハギ科は日本近海に12属23種棲息している。その名の示す通り、皮が非常に堅くザラザラしており、皮を剥でから料理するところからの命名であろう。その皮は戦中戦後の時、サンドペーパーの代用になっていた。また、「和漢三才図会」には、「形状は大変醜く、頭は方頭魚に似、体はほぼ鮫に似ている」とあり「鮫の属であろうか」と推察している。「伝えによれば皮は銭瘡をこすればよく治るという」とも記されている。
■ファッションブランド「NOOLAN」魚の皮素材の開発
北国では極寒の冬場は、帽子で頭と首を防寒することが必須です。オシャレな人も冬場は見た目を構わず、帽子を重ね着したり、マフラーは首にぐるぐる巻きになるのですが、NOOLANのウィンターコレクションは防寒性にも十分に配慮。上着とトータルにコーディネイトされたデザインは、シンプルでありながらも独創的でスタイリッシュなラインを生み出しています。
このブランドを最も特徴付けているのは、独自に開発された魚の皮素材。ワニ皮の様に、ファッションへの使用の為だけに動物を殺すことを避ける為、次世代の地球環境を意識した代用品として研究されました。
廃棄物となる魚の皮を利用し、特殊加工することにより新素材を開発。主に使用している魚はナイルパーチというスズキの類の淡水食用魚。表面の鱗の構造は、見た目にも美しいパターンです。
チーフデザイナーを務めるマルヤ・ラク。ヘルシンキ芸術デザイン大学(UIAH)でのファッション専攻中の時から、既に魚の皮素材の研究を開始。1995年卒業後、フリーランス、Fero design、フィンランド西部デザインセンターMuovaの講師を経て、2000年より独自のコレクション「Noolan」を開始しました。