魚の風(1)
あたたかな春の風・・・そこで、魚の風を追いかけてみた。
やっぱり、その一番は「鯉のぼり」でしょう。
■「スカイサーフ」を知っていますか?
「スカイサーフ」は凧で魚を釣る画期的な釣り方です。かれこれ20~25年前になりますが凧で魚を釣る方法「Skysurf」が編み出されました。しかしオセアニアでは・・・
■オセアニアには変わった漁法がいくつかあった。その一つが、凧をあげてダツを釣る漁法だ。凧をあげるのも変わっているが、糸の先につけるのが釣り針ではなくクモの巣であるところにも驚く。この漁法はじつにユニークで、まず大きな木の葉で作った凧をあげる。凧から海面にたらした糸にはクモの巣をつけ、水面すれすれにはねるように調節する。えさの小魚だと思ってダツがかみつくと、クモの巣が歯に絡まって逃げられなくなるという仕組みだ。ダツはあごが細長くとがり、口には鋭い歯がびっしり並んでいて突き刺されたら危険な魚である。歯の多さを逆手にとってクモの巣でからめとり、あばれた魚に突き刺されないよう凧で自分との距離をとる。相手の特徴を利用し、しかも遊び心もある漁法に脱帽です。
日本各地であげられている凧にも魚が多く登場しています。
■小関凧は東京都江戸川区にお住まいの小関章さんのつくる「創作凧」です。小関さんは凧の横骨に弾力のあるピアノ線やカーボン棒を使うのが特徴で、どんな形の凧にも自在に骨をあてがうことができるので、つくられる凧の種類は豊富です。「凧の水族館」「凧の動物園」、タコ・イカ・魚の凧や虎やムササビやカモメなどユニークな凧があります。
■焼津魚凧は、井川政吉さんの創作によるものなので、一般的な凧の作り方とは多少違いますが、出来るかぎり一般の人たちにも作れるように簡単な工程に工夫されています。特に有名なのは、焼津名産のマグロを形取った「マグロ凧」です。そのほかにも、タイ、カツオ、フグ、タコ、イカ、アンコウ、マンボウ、ウナギ、トビウオなど、その数は約六十種類にも及びます。十センチ四方の小さなものから、たたみ一畳ほどの大きなものまで、大きさも様々あります。魚凧製作で一番難しいのは、何といっても「骨組み」です。凧の形や大きさによって、骨の長さ、薄さ、細さがすべて違うため、うまく揚がるようにすべてを調整します。形がユーモラスで左右対称でないため、縦と横の骨だけでなく、形に合わせた全体のバランスを取らなければなりません。この「骨組み」が最も大変であり、長年の腕と勘の見せ所でもあるわけです。