ぎょ(488) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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光る魚(7)


らんぷ1


こんなランプを見つけました。


らんぷ2


ガラス工芸で忘れてならないのが・・・

エミール・ガレ(1846~1914)

「自然にひそむ豊かさが心を呼び覚ますのです」


がれ1


■アールヌーヴォー 「新しい芸術」という意味で、1890年~1910年の約20年間の間にかけて、フランスを中心とした欧米諸国で流行した新しい装飾美術様式をいい、バロック・ロココからイスラム、ケルト、日本をはじめアジアなど、国境や時代を超えて、その勢力は衰え知らずに世界に波及していきました。アールヌーヴォーの登場により、絵画、インテリアなど多くの分野で芸術家が活躍し、ガラス工芸においても草花や昆虫など「自然」の動植物をモチーフに幻想的な色合いで彩るといった装飾豊かなガラス美術品が数多く作り出されました。中でもガラス工芸のアールヌーヴォーと言えばエミール・ガレというぐらい当時のガラス芸術に革命を起した人物でした。フランス人のエミール・ガレは創作拠点としたフランス東部の町ナンシーが中心となり、この頃に「ナンシー派」と呼ばれる多数のガラス作家が誕生したのです。


がれ2


■エミール・ガレ
フランスのナンシーに生まれる。1878年のパリ万国博に、葛飾北斎の影響を受けたガラス作品「鯉文花器」他を出品して頭角を現わした。ガラス器や陶器、寄木細工の家具などの作品には植物、昆虫、風景など自然をモチーフにしたデザインが施され、神秘と幻想に彩られた独自の表現世界を確立したのが、ガレでした。ガレの作品は、おもに色ガラスを何層にも重ねて、そこにグラヴィールやエッチングなどの技法で動植物や昆虫などを表現した作品を創り出すのがその特徴ですが、ガレは「自然」をガラスに表現することによって、生死や復活などといったものを人々に伝えたいという願いが作品に込められていました。つまり、ガレは花やきのこ、魚などによって、生命の尊さを表現していたのです。こうした作品を作り上げていく中で、もちろん技法の研究もし、その過程で彼なりの独自の製作技法も誕生していきました。そのなかでもマルケットリーという別に用意しておいたガラス片を、過熱して本体に埋め込み、再び熱などを加えてなじませながら、より作品を実写的に表現するといった技法は特許も取得したほどガレの代表的な技法です。


がれ3


発展途上にあった海洋生物学に関わる報告書は、ガレの強い興味を引き、彼がこの種の学問領域に装飾モチーフを探し求めたことは次の記述からも確認できます。「真に科学はあらゆる角度から装飾家に新しい世界を提供します。海洋学も、またナンシーにその熱心な研究者がおりますが、千夜一夜物語の魔人のように海の王者として地上の人々をその腕に抱き、青い宮殿へといざなってくれるのです。深海に潜る勇敢な海洋学者たちが、大洋の神秘をわれわれにもたらしてくれるのです。かれらの収穫物は研究室を装飾美術の工房、あるいはモチーフの美術館にと変化させます。研究者は海の七宝螺鈿ともいえる珍しい物体の形態を写生し出版して芸術家に供してくれるのです。やがて透明なクラゲはガラスの杯に微妙な色合いのニュアンスや斬新で美しい形状を与えてくれるでしょう。」


がれ4


■ガレが自作のデザインに用いた海洋生物には、魚はもとより、タコ、イカ、タツノオトシゴ、クラゲ、ヒトデ、ウミユリ、ウミウシ、ヒドラ、イソギンチャクなど、およそ従来の西洋美術では重視されることがなかった腔腸動物さえ含まれています。さらに海岸の岩場に群生するフジツボやさまざまな貝、漂着海藻、そして海洋浮遊物の瓶、海底から引き上げられた古代の壷や底深く眠っていた古典彫刻の断片など、海にまつわる様々な文物が創作の対象として渉猟されているのを見ることができます。貝殻やヒトデが付着した様子を表現しているこの花瓶も、おそらくは海底に沈没していた古代の難破船から引き上げられた遺物をヒントにしたものでしょう。このようなデザイン手法は、ガレが若いときに盛んに行った歴史主義的な創作方法(一種の本歌取り)を継承したものといえ、実験的試みが後発のアール・ヌーヴォー様式と違和感無く混交した現象を物語る作例としても貴重です。ガレは高名な演説原稿『象徴的装飾』の中で、最も賞賛していた詩人のひとり、ボードレールの『人間と海』という詩から、海底に蔵される財宝を知り尽くすことが不可能であるように、人間の心の奥底も容易に窺い知れないという趣旨の一節を引用しています。生命の源であり、時には恐るべき凶暴性を発揮して人間を飲み込む海との象徴的連関の中で、ガレが究めようとしたのは、人間の心の奥底であり、ほかならぬ人間の魂そのものであったといえるでしょう。


がれ5

■「ひとよ茸」・・・せめて今夜、あなたと一夜だけ・・・


t@;6

ガレの作品を見ていると・・・なんだか切なくなってきます。


t@;7

「好かれようと気にかける」・・・とても心がキューンとします。


がれ8