魚の光(5)
■寿司の歴史は意外に古く、平安時代の文献にも記載されています。しかし、江戸時代後期まで今で言う、握り寿しを指すのではなく、魚を保存するための塩をかけて、しめて保存性を効かした食べ物が鮨でした。それらは今で言う鮒鮨や押し寿しです。
寿司の用語の多くは、単なる語呂合せです。たとえば、トロ→食べた食感がとろっとしているから、むらさき→醤油の色が紫色だから、ぎょく→玉子の漢字から、ひかりもの→そのとおり魚の色が銀色のもの。寿司という言葉自体が当て字で、本当は鮨が正しい。
■寿司ねたの種類には様々あります。例えばざっとあげただけでもアジ、イワシ、カツオ、カレイ、サケ、サバ、スズキ、タイ、ブリ、カンパチ、ヒラメ、マグロ(トロ)アオヤギ、赤貝、ホタテガイ、アナゴ、ウナギ、イカ、タコ、エビ、ズワイガニ、タラバガニ、イクラ、ウニなどがあります。
また、寿司ねたにはいわゆる「光物」と呼ばれる種類があります。「光物」(〆モノとも言う)とはコハダ・アジ・サバ・イワシなどの背の青い魚で、多くは酢じめにして握ります。