ぎょ(472) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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ぎょ貝類(20)


やこう1


ヒオウギガイと正反対の貝・・・「ヤコウガイ」


やこう2


■ヤコウガイ(Green snail) (Turbo marmoratus)

リュウテンサザエ科 (Turbinidae) の巻貝では 最大になり、その殻径が20cmを超えるほどに大きくなります。インド洋と西太平洋の各地、北は種子島・屋久島、南はバヌアツまでのサンゴ礁の外洋に面した斜面で、数十メートルの深さまで生息しています。餌は海藻類で、紅藻類と緑藻類を好むようです。


やこう3


奄美諸島の屋久島産ということからヤクガイと呼ばれていたが、転じてヤコウガイと呼ばれるようになった。けっして夜、光ることはない。殻の表面が緑黒褐色なので、青貝とも呼ばれたこともある。内側は真珠玉のように輝いている。だから、漆工芸で木地や漆塗りの面にはめ込んだり貼りつけたりする螺鈿(らでん)の良質な材料として、昔から使用されている。平泉の金色堂の柱が、真珠色に輝いているのもこのため。清少納言の「枕草子」の中には、ヤコウガイから酒盃をつくることが書いてあり、正倉院御物の中にもヤコウガイを使った工芸品が保管してある。ニューギニアのある部族は、加工して装飾具などに使用している。ヤコウガイは大型のサザエの仲間で殻径が20㌢にもなり、刺身でも、つぼ焼きでもおいしい。奄美諸島以南から熱帯西太平洋の水深10~30㍍の岩礁地帯に生息している。沖縄県石垣島では「やくげー」と呼ばれる。


中尊寺


■ヤコウガイは本州に生息しない貝にもかかわらず、古代より螺鈿の原材料として珍重されてきた。その供給地域はほとんど未詳とされてきたが、近年奄美大島の古代遺跡から大量に出土し注目されている。本書は、古代~中世段階の琉球孤の国家境界領域を中心とした交易史を、これまでの沖縄中心史観から脱却し、ヤコウガイによって考古学的に明らかにしようとする野心的な試みの書である。


やこうがい4