ぎょ(317) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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魚と漆(4)


りゅうきゅう1


■琉球漆器

15世紀頃に始まったといわれる琉球漆器。かつては琉球を代表する交易品であった漆器も、太平洋戦争後の一時期は職人数も少なく、沖縄の郷土みやげ的な扱いで衰退していました。そのため復帰後は、琉球漆器を沖縄の代表的な伝統工芸として復活させるために、数多くの工芸家の育成を行ってきました。その結果、今では日本を代表する漆器のひとつとして琉球漆器が紹介させるようになると共に、高い製作技術と芸術性で再び世界に認められるようになりました。沖縄の気温と湿度は漆にとって、とても理想的な環境なのだそうです。それだけに、色の収まりがとても良く、琉球漆器の中でも特に特徴ある “朱色” は、余分な照りを押さえ、あくまでも高貴です。沖縄の県魚 「ぐるくん」 が泳ぐ琉球漆器のぐい飲み。良質の漆にしかない高貴さを放つ朱色と、漆黒の2色あります。また魚のイメージは琉球漆器独特の立体技法である堆錦(ついきん)工法によりなされていますので、実際のイメージサイズ以上に存在感があります。

●琉球彫 器物に沈金刀等で彫模様を施し、そこに漆を摺り込み油紙などで模様以外の部分の漆を拭き取り金箔、純金粉、顔料などを摺り込み仕上げます。


だちびん

せっかく琉球が登場したので・・・その他の工芸品も紹介しておきましょう。

■抱瓶<だちびん>(相馬正和作)

昔、地方の豪農達が所有する広大な田畑や山野を見廻る際、馬上で携帯するために作らせたのが始まりだとか。お互いに、My抱瓶を持ち寄って自慢しあったり(抱瓶スーブ)芝居見物などにも携帯したとのこと。沖縄のおじさん達にとって、抱瓶は一種のステータスシンボルだったのです。ガマクビン(腰瓶)とも呼ばれていたようです。


あくせ


■琉球房指輪

七房の飾り指輪は、沖縄の娘が結婚するとき、親が娘の一生、そして来世までも守られ、幸せでありますようにとの強い思いをこめて贈ってきたものです。扇、鳩、花、灯、蝶、魚、葉の七つの房は、それぞれが幸せな生活を続ける上で欠かせない、大切なものを表しています。「それらがいつも豊かに与えられ、事欠くことがありませんように」との思いで受け継がれてきた房指輪は、今も多くの女性が身に付けています。


ぐるくん1

■県魚

1972年5月15日沖縄県民の念願であった 日本復帰が実現した時に、タカサゴ ( ぐるくん ) が、県魚制定第1号として登録されました。それまでは、県魚という考えはなかったので、沖縄県民の思い入れの強さが感じられます。しかし、その後も県魚という定着はなく月日が流れました。
突如 15年の沈黙を破り、和歌山県が 1987年7月にマグロ を県魚としたのです。その後、先を争うように、青森のヒラメ、高知のカツオ、石川のイカ、千葉のタイと制定が行なわれたのですが、ネームバリューのある魚から制定されるという、早い者勝ち状態でした。1989年5月に 群馬県が あゆ を制定したら、重複してはいけないという暗黙の了解を無視するかのように、同年7月に 長良川の鵜飼が 有名な岐阜も あゆ を制定。重複不可という決まりが あるわけでもないので、以降は県魚が 重複する県が出てきました。決定的なのは、宮城県が、いっぱい魚があってもいいじゃないか!と、1992年4月に、「みやぎの魚10選+2」を制定。この後は、季節毎に魚を変える県など、多様な制定状態となっています。県魚を決めていない県も、東京、大坂、北海道など14都道県あります。北海道などは鮭で決まりのようなものですが・・・制定されていないのが不思議です。


ぐるくん2


■第1号制定「沖縄の県魚」タカサゴ( ぐるくん )

スズキ目 フエダイ科 体色は青味がかり、背に黄色の縦線が2本ある。体長は 30 cm 程まで成長する。沖縄県民から「ぐるくん」の愛称で親しまれている大衆魚で、奄美以南のサンゴの海に群をなし、沖縄伝統漁法である「追い込み漁」で漁獲されます。肉質はやわらかな白身で、美味な魚です。旬は夏で、産卵前の初夏(6月頃)が最も美味しいと言われています。刺身、汁物、煮つけ、から揚げなどで最高に美味しい魚です。から揚げには、シークワサーかけて食べるのが沖縄風。


ぐるくん3