ぎょ(318) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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中華魚(1)


琉球文化を紹介しましたが、日本はもとより沖縄は大陸文化の影響を当然受けているわけですから・・・

ということで、中国の魚を調べてみましょう。


きりえ1


■中華切絵(剪紙)

中国では『魚』と『余(生活などに余裕があることを表す語)』と発音が同じであるので魚は非常に縁起がいい物として古来より中国人に愛されてきました。


きりえ2


鋏と小刀のみを使って生み出される中国の切り絵は剪紙<せんし>と呼ばれ、民間、特に農村に長く伝承されてきました。その期限は遥かに商の時代(紀元前16~前11世紀)まで遡り(一説には起源は南北朝時期(420-581)から)、紙が発明される以前は木の葉や皮、金属片が素材となりました。唐代(618-907)になって、紙を花貼に剪んで顔の飾りに、宋代(960-1279)に剪紙花様を門に貼り付けたようです。切絵(剪紙)は中国全土及びその周辺地域に広く分布しており、一般的に北方の切絵(剪紙)は素朴にして雄健、南方のものは繊細優美と評されます。地域により、デザインや色彩、製法に大きな違いがあるのも。切絵(剪紙)の楽しさの一つです。


きりえ3


テーマとしては動物が大きな比重を占め、花、人物、景色など、身近なものへの愛情と繁栄を願う心が吉祥や瑞兆の図案に結実したものです。神話、民間伝説、歴史物語、及び動物、虫草、花鳥などもよく使われる素材です。悠久の歴史が育んだ豊かさ、広大な大陸がもたらした多様性、そして文様が凝縮されアレンジされた精粋として切絵(剪紙)は歴史に残る芸術と言えるでしょう。抽象化されたデザインは秀逸の一言。その物の特徴をしっかり押さえながらも、極限までシンプルに表した技法は、名も無き職人たちの数千年に渡る研鑽練磨の結晶です。切絵(剪紙)の作者は名もない一般民衆で,多くは農家の婦女子です。それゆえ,切絵には彼らの希望、理想や自然に対する感性が見られます。


きりえ4

字が読めないかれらは,その地方地方に伝わる切り絵のデザインを親から子、子から孫と引継いできました。伝承の過程で、加えられたものもあるでしょうが、基本的デザインの中には商(殷)の青銅器の文様を思わせるデザインなども多く、太古からの伝承が今も変わらず生活の中に生きている事を感じさせます。楽しみ方としては、デザインを生かし、シンプルな額に入れて飾るのがお勧めですが、一般的な中国家庭では、窓ガラスや家具、門などに糊で直接貼り付けるスタイルが一般的です(農村部でよく見られます)。