ぎょ(314) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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魚と漆(1)


ななこ2


漆工芸については、以前、津軽の「魚々子(七々子)塗り」を紹介しましたが、今回は蒔絵を中心に・・・


ななこ3


その前におもしろいものを発見しましたので・・・津軽の「魚々子塗り」にほれこんだケーキ職人さんが、こんなケーキを作られました。


香合


●堆錦(ついきん)漆と顔料を固く混ぜモチ状にして、それをローラー等で伸ばしそれぞれの模様を小刀で切り抜き器物に張り付け彫刻し着色する技法です。長年使用しても色が褪めることなく又磨くほど艶がまします。

●螺鈿(らでん)薄く摺り上げた夜光貝やあわび貝に模様を描きそれをもめん針等で切り抜き器物の表面に貼り付け、漆を塗り、貝面の漆を小刀でハギ取り彫刻して仕上げます。貝特有の自然の色を巧みに配色しているのが特色です。

●蒔絵(まきえ)蒔絵には、高蒔絵、平蒔絵、漆絵等があり素材は、純金粉、銀粉、 金箔、顔料等が使われ、それぞれの方法で描かれます。


さかずき


うるしでできた漆器の発祥は、6000年以上前、縄文時代にさかのぼります。その後、幾世代にもわたって創意工夫を重ね、技を磨きながら進化してきました。漆器は、日常的に使う道具でありながら、自然を生かしてモノづくりをする日本人の文化・思想性をもち、芸術的価値をもあわせもっていたのです。漆器は、6000年もかかって伝承されてきた文化ですから、素材も技術も感動するほど優れています。漆器を制作する道具の一つひとつに伝統があるのです。ところが、その道具ですら、いまでは存亡の危機にあります。たとえばクマネズミの毛で作る蒔絵筆はネズミがいなくなり筆を作ることが出来ません。蒔絵師さんが手持ちしている20本ずつ位の筆の最後の一本が使えなくなると、その筆で描ける細い線の蒔絵の作品はもう作れないのです。漆器は、工場に大勢集めて一気に大量生産をする仕組みとは違い、三畳一間の仕事場でできます。かつては日本のどこでも、農家の畑や田の近くに沢山のウルシの木がありました。今日では日本の漆の主な生産地は岩手県など限られています。しかも採集量は少なく、日本で使用する漆の9割は外国からの輸入となっているのです。


皿


ウルシオールは、酵素の働きによって変化することで固まります。この反応は、漆器の完成後も進んでいきます。漆器は、普通に使えるまでに1年かかり、3年ほど使い込むと底艶がでて成熟します。そして、その後も変化をつづけ、14年を経た漆は色彩も色艶もあでやかとなり、数千年の時を超えるほどの耐久性を持つようになるのです。それは縄文時代の古墳から、木地が朽ちてもなお色艶が保たれた漆器が出土したことからも明らかです。


空海


■「海賦(かいふ)蒔絵袈裟箱」 縦47.9センチ、横39.1センチ、高さ11.5センチで、10世紀ごろの制作とされる。空海が師の恵果(けいか)から唐で授けられた袈裟を納めていたという。平安時代に流行した海の模様が一面に描かれ、金の蒔絵で海獣や魚、亀、鳥を、銀の蒔絵で波を表現している。