ぎょ(272) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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魚の文学散歩(うぉーきんぐ)[6]


じょぜ1


■田辺聖子 (1928年3月27日 - )は日本の小説家。大阪府大阪市生まれ。1976年より兵庫県伊丹市在住。幼少時は古典文学に親しみ、少女小説を愛読した。樟蔭女子専門学校(現大阪樟蔭女子大学)国文科卒。金物問屋に就職し、そのかたわらで同人「文芸首都」「大阪文学」に参加。『花狩』がラジオドラマに採用され、放送作家となる。


じょぜ2


1956年『虹』で大阪市民文芸賞受賞。1964年に『感傷旅行(センチメンタル・ジャーニィ)』で芥川賞受賞。大阪弁を使う恋愛小説を確立。また、吉川英治文学賞を受賞した『ひねくれ一茶』など、歴史小説も多い。1966年神戸の医師・川野純夫と結婚。36年間連れ添う。無類のスヌーピー愛好家。また自身年来の宝塚歌劇ファンであり、自著『新源氏物語』『隼別王子の叛乱』『舞え舞え蝸牛』の作品群が宝塚で舞台化された実績をもつ。


じょぜ3


■原作「ジョゼと虎と魚たち」 ・・・恒夫はいつジョゼから去るか分からないが、傍にいる限りは幸福で、それでいいとジョゼは思う。そしてジョゼは幸福を考えるとき、それは死と同義語に思える。完全無欠な幸福は、死そのものだった。(あたいたちはお魚や。「死んだモン」になったーー)と思うとき、ジョゼは(我々は幸福だ)といってるつもりだった。・・・


じょぜ4

■映画「ジョゼと虎と魚たち」監督:犬童一心/原作:田辺聖子/脚本:渡辺あや/キャスト:妻夫木聡、池脇千鶴

STORY:麻雀屋でアルバイトをする大学生の恒夫は、祖母が押す乳母車に乗った足の不自由な少女、くみ子と出会う。恒夫が名前を尋ねると、彼女はジョゼと名乗った。フランソワーズ・サガンの「1年ののち」の続編が読みたいと言うジョゼのために、絶版になった「すばらしい雲」を古本屋で探し出しプレゼントする恒夫。夢中で本を読みながら柔らかな笑みを浮かべるジョゼ。そんな彼女を見つめながら恒夫も微笑む。ジョゼにとっては恋愛も虎もラブホで見た魚の幻影もセックスも散歩の一部の過ぎなかったのかも・・・


じょぜ5

■「金魚のうろこ」

・・・ぼくはそのあけがた、二つのことをおぼえた。男の子は、すみませんとやたらいうような状況に、自分を追いこまないこと。夜明けの美しさ。その二つだった。とりたててどうということないのに、ぼくは目からうろこの落ちる思いがした。小さいうろこ、まるで金魚のうろこのようなものだったけど。・・・


じょぜ6

■「魚座少年」

・・・「結婚しよう、と思っていたのに」と泣きむせびながらいうではないか。「そんなこと考えてたの」私は魚座の耳もとでいった。「タイミングずれてるわ、魚座は」「だって男はみな、家庭つくろう、という気があるもん。当然やないか、夢みるの」私はためいきをついた。・・・


じょぜ7