魚濫観音(5)
魚濫観音を調べ始めて「濫」と「籃」の両方の漢字が用いられており、どちらかというと「籃」の文字の方が多いので気になっていた。
「籠」という漢字であるなら疑問を抱くことはなかったのであるが・・・「籃」も「濫」も読み方として「ラン」というのは共通であった。
■「編籃」 竹細工関連を調べてみますと、現在では「かご」を「籠」と書くことが一般ですが、「籃」と書かれているものも多く発見することができました。また、バスケットボールについても「籃球」と表記されていましたので、「籃」=「籠」と考えて間違いはなさそうです。
「平壺花籃」前田竹房斎
■「籃胎」漆器
籃胎は、堅くて伸びの良い真竹をテープ状に細かく裁断して一定の厚みになめし、成形する際に折れないようにした後、中心に沿って巻きつつ漆で接着しながら積層します。その後、丹念に削りだし表面塗装します。表面の塗装は、自然に生まれてくる目が美しい合成漆仕上げとモダンな感覚なウレタン塗装があります。どちらも、食品、耐水性とも食品衛生法をクリアしていますので、サラダやパン皿などの食器としても重宝し、どんな料理にも合わせることができます。
■「濫喩」
「濫喩」も「隠喩」も同じように、本来使うべき場合とはズレた使い方で言葉をもちいています。たしかに、そこだけ見ると2つが同じようなレトリックなのではないかと思うかもしれません。しかし、「濫喩」と「隠喩」とには、決定的に違っている点があります。それは、「もともと使える単語があったかなかったか」という点です。つまり、「濫喩」には、「もともと使える単語」がないのです。ようするに必要によって、しかたなく「濫喩」となるような単語を使うことになるという特徴があります。反対に、「隠喩」には、「もともと使える単語」があります。あるのにもかかわらず、あえて本来とは違った言葉の表現をするということになる。それが、「濫喩」と比べてみた場合の「隠喩」のもっている特徴です。
■「濫悪・乱悪」 乱暴で悪いこと。また、その行為。
■「奸濫・姦濫」 よこしまで、みだらなこと。
■「濁乱・濁濫」 仏語。悪がはびこって人を惑わせ、世が乱れること。だくらん。
■「職権濫用」 公務員が職務上の権限を越えたり、悪用したりすること。
■「粗製濫造・粗製乱造」 粗悪な品をむやみにつくること。
「濫」という漢字には、あまり好ましい意味が見当たらない。魚の「籠」という意味だけなら「籃」とするのが正解のようである。しかし・・・人間の煩悩というか、心乱れるからこそ神様・仏様なのであって、だから「濫」を用いた方が私はこの観音様にふさわしいような気がしている。ましてや、この観音様は、女体よろしくなまめかしいお姿なのである。魚だから水関係で、サンズイ扁の「濫」を間違えて使用したなんて色気のない結論にはしたくない。












