鯛車(3)
■埼玉県鴻巣市の赤物「鯛車」 鴻巣市といえば雛人形、車輪モノは江戸時代から親しまれている郷土玩具です。子供の遊び道具としてだけでなく、魔よけ、厄払いの意味合いもあることから、祝い・祈願・祭事など、様々な用途に使われてきました。これらのがん具は、赤色(魔よけの色)が施されているため、別名「赤物(あかもの)」とも呼ばれ、鴻巣では全国的にも知られる獅子頭はじめ、熊金・鯉乗り金太・鯛車等々、レトロ感覚が人気を集めています。
鯛車は「赤物」と呼ばれる鴻巣特産品の1つです。「赤物」は雛人形よりも古い歴史を持つといわれ、最盛期には200種類以上も作られていました。赤物は、張り子とは違い、桐のおがくずを原料とし、これを糊(正麩糊)で固めて赤い色で彩色します。明治時代には、200種類以上も作られて、会津や長野など各地へ卸されていました。こんにち見ることのできる会津若松の会津天神や、長野善光寺の布引き牛などの郷土玩具も、鴻巣でつくられていた赤物のひとつです。
■和歌山県「御坊人形」 子供の初節句のお祝いに作られたという伝統工芸品。桐の引き粉を砂やカキの殻などと練り合わせて作る「練り物」と木型に和紙を張り合わせて作る「張子」があります。天神・鯛車・虎加藤・宮子姫などいろいろあります。現在製作者は1人で入手困難な逸品となりつつあります。
名古屋の土人形「鯛車」です。