ぎょ(159) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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えびかに話(4)


えびかずら


■「エビヅル(蛯蔓)」ぶどう科/Vitis ficifolia Bunge/別名:えびかずら/地方名:がらん、がらめ

日当りのよい山野の樹木などにからむ蔓性落葉低木。雌雄異株。ぶどう属では巻ひげは葉の反対側につき、2節については1節休む特徴がある。葉は3~5裂し、長さ幅ともに5~15cm、葉裏に綿毛が密生する。液果は径5mmぐらいの球形で黒く熟し、食べられる。若い葉と茎には薄赤紫の毛がつき、この色をエビの色に見立ててエビヅル、古くはエビカズラといった。


えびいろ

■「えび色(葡萄色、海老色)」 古代、山葡萄(やまぶどう)のことを“えびかずら”と呼び、えびかずらの熟した実の色をえび色、暗い紫みの赤色、エビカズラ(葡萄葛)の実の色にちなみます。さて、この“えび”には、海老の色という説もあるそうです。海老の色と混同されるようになり海老色とも書かれるようになり、近代、海老茶という色名ができました。これを着物でいうと、かさね色目という3種類の意味が出てきます。織り色では、経(たて)赤、緯(よこ)薄紫で織ったものがえび色です。表裏に、蘇芳縹 の衣を重ね作るえび色が合わせ色目。薄い衣を重ね着して作る、かさね色目があります。えび色の茶がかった色がえびちゃ色で、黒みを帯びた赤茶色です。


あまえび


■「海老、蟹」 海老や蟹は、活きているときの色は茶色っぽい保護色です。この海老や蟹を加熱すると、鮮やかな赤に変身します。甲羅に含まれるカロチノイド系の「アスタキサンチン」という、強い抗酸化作用を持つカロチン色素がタンパク質と結びついていて、加熱するとタンパク質が変化を起こし酸素と結合、酸化して赤くなります。その結果「アスタキサンチン」は「アスタシン」という物質になります。これが蟹や海老が茹でると赤くなる理由です。酸化して色が変わるのは切った林檎もそうですし、鉄が錆びて、変色するのも同じ現象で、変色の殆どは酸化、還元が関与します。


あまえび2

■「甘エビ」 甘海老は加熱しなくても、最初から赤い。車海老などは加熱すると、殻の中のタンパク質と結合していたアスタキサンチンはタンパク質と遊離し、酸化してアスタシンに変わることで赤色となる。甘海老はアスタキサンチンが空気に触れて酸化し、赤変したから赤いのである。正式な名前は北国赤海老(ホッコクアカエビ)であるが、通称甘海老、赤海老、南蛮海老と呼ばれている。エビは全種類甘いが、特にこのエビは 甘いことからの命名であろう。北太平洋、北大西洋に広く分布する環北極種であって、各地で多量に漁獲され、ベーリング海およびアラスカ湾のエビ類漁獲量の80~90%はこの種である。日本海の海底には日本海盆とよばれる巨大な盆地が広がり、所々に丘や山が点在する水深200~500mに甘エビも棲息する。エビは熱を加えると腰が曲がった様になる ので、腰が曲がった老人の様子から「海老」という字が当てられた。寿司ネタに使うシャコは、エビ類に似ていますが、エビ・カニとは別種のトゲエビという仲間です。