ぎょ(157) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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えびかに話(2)

蟹の家紋ほどありませんが、海老の家紋を紹介しましょう。


えびもん


海老は鯛と同様、目出度い席に登場することが多く、「寿」の文字と組み合わされてデザインされるほどです。


えびもん2


■海老紋 戦後まもなく、歌舞伎界において空前の「海老様ブーム」がおきました。きっかけは新作歌舞伎「源氏物語」の光君役を11代目、当時の海老蔵がつとめたことにはじまります。まるで光君が現代に蘇ったかのようなその美貌に、若い女性たちは熱狂しました。「海老を食べたら海老様に申し訳ない」という女性が増えて魚河岸は不景気に悩まされたとか、着物や小物に海老の紋をつけることが流行したとか(芸者さんたちは長襦袢に海老を染め抜いたりもしたそうです)、劇場では大向こうの掛け声もかき消されるほどの「海老さま」コールが鳴り止まなかったとか、11代目が花道に登場した途端、興奮のあまり失神する人が出ただとか・・・数々の逸話が伝わっています。


えびさま1

■海老蔵 この名は初代團十郎の幼名<ようみょう>で、名付親は父堀越重蔵の親友、侠客<きょうかく>の唐犬<とうけん>十右衛門とされている。五代目團十郎が息子へ六代目を譲り改名する際に、口上で「親達は名人上手で江戸の飾り海老ですが、自分はザコで蝦蔵<えびぞう>を」と謙遜<けんそん>して、この字を使っていた。いずれにしろ、市川宗家にとり、團十郎に次いで重い名である。


えびさま2

この髪型はよく見かけますが、よくよく見るとまるで「カニ」のようですね。


えびさま3

前に紹介した「鱗紋」の赤と黒い衣装のコントラストが素晴らしいですね。


えびさま4

「海老蔵」襲名披露の時に手拭などが配られましたが、これは「定紋」と「寿字の海老」の浴衣です。


えびさま5

これも襲名披露で配られた・・・バカラのグラスです。「寿字の海老」が見事です。


えびいも

お酒のアテに?「えびいも」はいかがですか。

■「海老」は英語の「プローン( “prawn” )」に相当し、車海老や大正海老などの大型のエビで、主に海産。「蝦」は英語の「シュリンプ( “shrimp” )」に相当し、手長蝦などの小型のエビで、主に淡水産。したがって、「エビでタイを釣る」は、「蝦で鯛を釣る」。「ロブスター( “lobster” )」は「海棲のざりがに」で、「淡水産のざりがに」は “crayfish” 。ニューオリンズの名物料理ジャンバラヤに使われるのはアメリカザリガニ。日本には食用蛙(ウシガエル)の餌として戦後に持込まれたが、田んぼの畦に穴を開けるため嫌われている。ついでながら、英語では伊勢海老も “lobster” であるが、 “spiny lobster” と呼んで区別する場合もある。「アミ」はエビとは別種。「オキアミ」もエビやアミとは別種。