魚の絵(5)
アンリ・マチス。ピカソと同様、必ず教科書に登場する偉大な画家である。
鮮やかな色を用いながらも、この素朴さは感動ものである。子どものように無邪気でありながら、知性を感じさせる。
この作品は日本で公開されたが、残念ながら見ることができなかった。予想以上に大きな絵である。これだけの大画面でありながら、自然体で絵筆を走らせることができる偉大な画家、一つの到達点ではないかと思う。
この作品では「金魚」らしさを通り越して、コンポジョンとして画面に溶け込んでしまっている。当時、ピカソとマチスは急接近しており、互いの表現を理解しつつ影響しあっていたようである。この作品とほぼ同じ印象を受けるピカソの作品があることに、驚きを覚える。