ぎょ(110) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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マカラ(1)

マカラ(Makara)は、海や大河に棲むと伝えられる伝説の怪魚です。象のような鼻を持つ姿が一般的と云われ、「マハーバーラタ」の一節「バガヴァッド・ギーター(Bhagavad Gita)」では魚とされていますが、鰐や海豚とも同一視されています。漢字では「摩迦羅」と宛てられることが多く、「摩竭魚」などと呼ばれることもあります。またAsitadanstra(=黒い歯を持つもの)やJalarupa(=水を形とするもの)としても知られています。 その大きさは恐ろしく巨大で、仏教の古文献に登場するものは、全長200㎞に及び、魚と龍が交じったような容姿をしていたと云います。その眼は太陽のように光り輝き、口には長い髭がたくわえられ、船すら一飲みにしたそうです。マカラは、元々はインドの水神ヴァルナやガンジス川の化身ガンガー女神が乗る霊獣として知られており、海や川の水を自由に操り、津波や洪水を起こすという信心から、人々はマカラが棲む場所をマカラヴァーサと呼び、崇拝しました。これが仏教の伝来とともに中国に渡り、海に棲む怪魚と考えられるようになったようです。


ガンガー1


この絵では、「象」と「鰐」の合体のように見えます。

マカラに関する最も有名な文献は、玄奘が記した「大唐西域記」です。この書物の中ではある国の大商人が、舟を南海に出していたところ、進路を見失ってしまい、食料も尽きて生命の危機に晒された様子が述懐されています。困り果てた商人たちの目の前に、巨大な山が現れます。この後、舟は大揺れに揺れたそうですが、観自在に心を寄せ、名号を唱えるとぴたりと止んだと云い、仏教を軽蔑していた商人は、これが動機で信心も固くなったと伝えられています。


ガンガー2


この絵では、ほとんど「鰐」です。インドでは「鰐」のことを「マカラ」と呼ぶそうです。


ガンガー3


この絵では、すっかり「魚」です。

そもそもが想像上の怪魚ですから、なんとでも表現できるわけですが・・・

彫刻も調べてみましょう。