ぎょ(100) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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紙魚(2)

100号に「紙魚」とは・・・これこそ「ぎょ」ですよね。

シミはなじみの深い昆虫で、古い書物をかじって穴だらけにしてしまうといわれている。実際に穴をあける真犯人は甲虫のフルホンシバンムシで、シミは紙の表面を歩き回って、そこに塗られている糊をかじっているだけ。書物を開くと素早く逃げる姿がよく見られるため、濡れ衣を着せられてしまったのである。登はん力は弱いので、滑らかな面では行動できない。しかし、わずかでも足がかりが得られると、かなり高い位置まで上がり、壁紙の隙間などに潜んでいることもある。

多くは野外に住み、樹皮、朽木、落ち葉などの下、洞窟、アリやシロアリの巣などに住んで腐食物を食べている。シミは敏捷に走り回るのが特徴で、一部の種類が家屋に住みつき、書籍や壁紙などの害虫として古くから知られている。シミはすべて暗いところを選好し、夜間活動性である。乾燥に弱く、湿度75~95%、温度21~27℃の環境を好む。被害としては、表面をかじるように食害し、特にでんぷん質の糊のついた部分を好む。また、食品害虫としても要注意で小麦粉やパン粉、その他の乾燥貯蔵食品が被害を受ける。

駆除はゴキブリに準じて行えばよい。ゴキブリ専用のスプレーを部屋の隅々に残留処理する。押入の中、畳の下、食器棚の中や裏などにも潜んでいるので。食器等に薬剤がかからないように注意して、もれなく処理をする。書籍や衣類などを保管する場合は、ナフタリンなどの防虫剤を入れ、密閉できる容器に入れておくとよい。また、ガス遮断フィルムの袋に脱酸素剤と共に入れて、密閉しておくのも一つの方法であろう。


ヤマトシミ


日本で多いのは「ヤマトシミ」というもので、別名では雲母虫(きららむし)とも呼ばれる。日本から東南アジアに広く分布している。


セイヨウシミ

「セイヨウシミ」は、その名前が示すように本来はヨーロッパ原産とされるが、人間や物の移動に伴って世界中に広がった。日本でも人家を中心に生息し、在来種であるヤマトシミよりも多く見られる場合もある。行動は敏捷で、光を避ける性質(負の走光性)がある。英語では「book worm」や「銀の魚(silverfish)」と呼ぶが、これは体が銀灰色の鱗で覆われていることや、魚が泳ぐように体をくねらせて素早く走ることに由来し、「紙魚」というのと同じ発想である。寿命が「シミ」は7~8年、イシノミは3年程度と言われ、昆虫としては長生きである。


セイヨウシミ2


『逃るなり紙魚が中にも親よ子よ』小林一茶

俳句などでは夏の季語として使われる。しかし、夏だけにいるわけではなく、年中いるものである。湿気を好むので、梅雨から夏にかけて多く見られる。