ぎょ(78) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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シュール話(2)

私が新任教師の頃、思春期の美術として「シュール」を活用したことがある。生徒に「シュール」が理解できるとは思わない。しかし、思春期の心の葛藤や不安を表現するには、もってこいだと考えたのである。ダリやエルンスト、マグリットなどの作品を見せてみる。


マグリット


中学生くらいになると「写実」欲求も強くなる。しかし、ただ見たままを描くだけでは満足できない、理想と現実のギャップについて葛藤を覚える時期でもある。


ブルトン1


「言葉」が豊かになり「表現」のむずかしさ、そしておもしろさも感じれる年代。「イメージ」をふくらませるために「言葉」を操る。一方でちょっとした「言葉」に敏感で、傷つくことも多い。アンドレ・ブルトンの「溶ける魚」を朗読してみる。


“手術台の上でミシンと蝙蝠傘が出会う”


ブルトン2


生徒たちの「怪訝」な顔がおもしろい。そして「笑い」が起こる。これまで難しく考えていたことが馬鹿らしくなる。浮かんだこと、思いついたことを自由に組み合わせて・・・自分だけの世界を描けばよい。表現が解放される瞬間を味わう。