ぎょ(27) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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金魚話(4)

田名網敬一(たなあみけいいち)「金魚博覧会」

1936年東京生まれ。武蔵野美術大学デザイン科卒業後、博報堂の制作部に勤めたが会社外の仕事が忙しく、1年で退社。その後、アニメーションや版画、イラストレーション、エディトリアル・デザインなど前衛的で遊びに満ちた様々な創作活動を行う。75年に日本版『PLAY BOY』誌の初代アートディレクターに就任する。デザイン分野で、日宣美「特選」などを受賞する一方、映像による実験制作を試み続け、作品はオーバーハウゼン、エディンバラなど世界各地の映画祭、映像展で上映された。91年より京都造形芸術大学教授に就任。現在は同大学情報デザイン学科・学科長を務める。


博覧会1


金魚伝来五百年を記念して、2001年に東京国際フォーラムで田名網敬一による金魚博覧会が開催された。触覚をくすぐる田名網敬一の金魚ワールドは、やはり幼年期の記憶と夢が交錯している。幼少の頃、金魚の養殖を趣味としていた祖父の家で、金魚の水槽に弱って浮かんでくるトサキンやランチュウなどの高級魚を手で握りつぶして遊んだ記憶が、手に生々しく残っていることを思わせる触感的な作品。75年のアニメーション『優しい金曜日』以来、たびたび登場する田名網敬一の金魚ワールド、数百枚におよぶ新作金魚ドローイング、ペインティング、デジタル・ワークスをはじめ、旧作の金魚グラフィック・ワークス(77年『忘遠鏡シリーズ』のシルクスクリーン版画と木製立体他)を一同に並べた田名網敬一の金魚博覧会。


博覧会2


その画集を偶然、大和郡山の紺屋「箱本館」を訪問した時に発見した。上の作品を見て思わず購入。この作品に、幼少期の金魚との出会いがこめられているとは・・・道理で惹きつけられたわけだ。