第2回「すくらんぶる展」では、古新聞を使用しての紙粘土やコラージュ作品を制作し出品した。そのプロセスで様々な素材が今でも私の部屋を占領している。当然、今回の「蝶」の制作にも大いに活用しているわけだが、ペットボトルそしてアルミ缶へと進み、次は・・・と考えているうちに「ネガフィルム」に眼がとまった。少し小さいけれども、まあチャレンジしてみようと思いハサミを動かした。それは感動の瞬間であった。
琥珀色の美しい蝶が出現した。この感動は早速多くの図工美術仲間へと、メールを通じて画像を送信したほどである。デジタル時代にあって、ネガフィルムが手元に残っていることは少ないであろう。だからこそ、このような形でアナログの素晴らしさを作品として復活させることに大きな意味を感じる。アナログとは、様々な素材や道具との接近遭遇なのである。部屋のどこかに、もっともっと古いネガがしまいこんであるはずである。以来、あらゆるところを探し回り、作品づくに没頭した。
「フィルム蝶」は、そのままではやはり強度に問題がある。やはり額に入れる必要がある。とりあえず、身近にあったプラケースをかぶせてみた。フィルム蝶であることを主張するために、フィルムに添付した作品である。
ピンや画鋲のプラケースが丁度よい大きさである。一番端のフィルム番号がなかなかおもしろい。その部分は琥珀色ではなく暗黒色である。