青の伝説(82) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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秋田藍

《西馬音内盆踊り》毎年8月に行われる秋田県雄勝郡羽後町の西馬音内地区の盆踊り。羽後町は小さな農村です。中央を西馬音内川が流れ、近くに、かまくらで有名な横手があります。冬は大変な豪雪地帯なのでしょう。こうした、厳しい自然と辛い農作業を慰めるべく、ここには多くの民俗芸能、民俗行事がつたえられてきています。盆踊りは、そのなかでも大きな行事です。ここの盆踊りは700年の歴史を持ち、いまでは国指定重要無形民俗文化財になっています。盆踊りは豊年祈願、盆供養のため全国各地で行われてきた伝統行事で、日頃の農作業の辛さを忘れ、踊り三昧で過ごすお祭りです。いまは、町興しのショウ、イベント的な要素がおおきくなっていますが、ここもその例にもれず、町をあげてちからを入れたのが功をそうして、いまでは、各地から見物客が、訪れるようになり、1日3万人ほどの見物客で賑わいます。この賑わいを招いた西馬音内の盆踊りの特徴はその衣装にあります。

1.端縫い衣装

5種前後のあでやかな絹布端裂を左右シンメトリーに縫い合わせた着物です。踊り上手と自他共に認められた人が本来付けたといわれています。この衣装をつけたときは、編み笠をかぶります。腰には、赤や黄色のあでやかなしごきを巻き飾ります。大勢の人々の目にふれる踊り衣装に、婦人たちが図柄、配色に工夫をこらし、競いあった苦心の様が偲ばれます。祖母から母へ、そしてその子へと受け継がれてきたといいます。端縫いは貧しさゆえの工夫ともいわれますが、先祖の着物をわざわざ切って縫い合わせるのは、間違いなく女達のひそやかな贅沢だったのにちがいありません。

2.彦三(ひこさ)頭巾

盆は本来盂蘭盆会といい、地獄におち、逆さ吊りの責め苦にあっている先祖を救うために行われ供養ですが、おそらく、全国でもあまりないと思われますが、すくわれて喜び踊る亡者がこの盆踊りには登場しています。黒子のかぶる黒い頭巾に似た彦三(ひこさ)頭巾をかぶった踊り手です。この衣装の謂れは、はっきりしませんが、攻め滅ぼされた城主をしのんだともいわれています。この頭巾をかぶる踊り手は、衣装は藍染め絞りの浴衣をつけています。袖口は、左右ともに5cmほど赤の裏地をのぞかせます。藍染め浴衣に編み笠の組み合わせもあります。この衣装で、男性も踊ります。男性は100人に1人ぐらいでしょうか。昔は、男性ももっと参加していたに違いないと思いますが、今は圧倒的に女性上位になっています。http://www.ateliet-tom.com/gyouji/nishimonai.htm より