青の伝説(76) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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藍型

《藍型》えいがた、えーがたと呼ばれ、沖縄の正藍染といわれ、藍の濃淡と墨で表現される型染です。技法は紅型とほぼ同じで、広い意味で、多彩で華やかな紅型に対して、藍型の使用される色使いが、対称的な為に、区別されています。紅型は、王侯や貴族達の衣服であり、特権階級のものであるのに対し、藍型は、琉球王朝の時代から、庶民の衣服でした。藍の濃淡による単純な一色染は、地味な色調でありますが、その中にも、色々な工夫がなされている織物なのです。

《藍型の種類》

白地(しるじ)藍型…白地に模様の部分を藍の一色染を したもので、感じが浴衣に似ていますが、 芭蕉布に染めたものは、生地の薄茶とあいまって、藍型の美しさが発揮されて います。

浅地花取り…白地に模様が藍の濃淡で染められたもので、 型付けをして、淡い藍を染め、その部分を糊伏せし 藍染を繰り返します。

黒花出し…模様が濃淡で、全体が淡い藍色のものです。まず、白地藍型で染め、一度、水洗し、再び全体を藍染します。

白花出し…地色が藍か紺色、模様の部分が、白上がりのものです。

藍朧(えいおぼろ)…総模様と小紋を組み合わせたものです。白地型、染色型にもう1枚、地紋型を置くものです。

紅入藍型…藍型の部分に、朱や臙脂(えんじ)、黄土等に少量の色さしを行ったものです。

《藍型の技法》

まず、下地を書き、それを型紙に彫っていきます。彫り方は突彫りで、彫る台はルクジュウという豆腐を干して固めたものです。生地は、芭蕉布が主で、麻や木綿も用いられましたが、紅型と違い、絹は用いません。水張りという、一種の精錬作業を行い、その方法は、石灰汁で煮て海水に浸し、そして、生地を細長い型板に張り、固定します。これを地張りといいます。地張りが済んだら生地の上に型紙を当てて、防染糊をへらで塗り、型付けします。型付けした生地が乾いたら、型紙から取りはずし、屏風たたみにして、伸子に吊るし、藍がめで浸染をします。濃い色にする時は一度、染めたら乾燥させ、再度、浸染をし、望みの色に仕上がるまで、繰り返します。染色が終わったら、水洗して糊を落とし、その糊が落ちていくに従って、藍で染まった生地の中の白い部分が、鮮やかに浮かび上がってきて、完成となります。

*沖縄で使われる藍は、蓼藍ではなく、年に2回収穫される、琉球藍を用います。http://www.h5.dion.ne.jp/~tarering/nihon7.htm より