青の伝説(70) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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琉球藍

「夏」です。以前、ある出版社から平和学習についての原稿を依頼され、「沖縄の青い空・青い海」というタイトルで資料提供をさせてもらったことがある。さらに「大地の青=沖縄の藍」も加えて、しばらくこの「青の伝説」に掲載していこうと思います。

《大地の青=沖縄の藍》日本の藍の作り方は「すくも法」と呼ばれ、ヨーロッパの藍もウォードという植物から、これに似た方法で行われている。それに対して、沖縄やインドでは「沈殿法」という方法で藍が作られている。沈殿法は、藍の植物を水につけ、その成分を水に抽出し、その水が発酵するのに伴って、インジカンが水に溶け出てくるとともにインドキシルに分解され、さらに空気を送り込むことで酸化させてインジゴを作るというものである。できたインジゴは、植物の残渣からは分離され、沈殿させて取り出される。これを、インド藍の場合は乾燥させ固め、沖縄の場合は、泥藍(水分を含んだ泥状)で出荷される。すくも法が、植物の残渣をすべて残しており、インジゴ色素はその中に含まれているため、色素含有量がどうしても少なくなるのと違い、インジゴ色素含量が高い。すくも法にしても、沈殿法にしても自然の為す技によって、色を持たない成分から青い色素が生み出されている。インド藍は、12世紀にはヨーロッパにもたらされていた。大航海時代ののちには、ポルトガル・オランダ・イギリスがインドに進出し、香料などとともに藍も輸入していた。藍の農場は、インドから西インド諸島(中米、カリブ海)にも移った。画像はhttp://www.rakuten.co.jp/namino-oto/159660/290093/290065/ より

《琉球藍》沖縄の代表的な染料です。山藍(やまあい)と呼ばれるキツネノマゴ科に属する琉球藍葉(りゅうきゅうあいば)を水に浸し、泥状態に沈殿させて作られます。製法の起源はインドとされ、鮮やかな紫紺に発色します。藍は県内の染織に使われるだけでなく、全国的に人気を集めています。かつては沖縄本島北部を中心に生産されていましたが、現在は伊野波盛正(いのはせいしょう)氏だけが国の選定保存技術者として認定されています。藍が発酵する時に独特の香りがしますが、見学やお手伝いに来てくれる方が「臭い」と言ったら、帰ってもうらうようにしているとの事。藍の発酵を「カバサン(方言で“薫る”の意)」と言って、好い薫りに感じないとダメさ、と一瞬厳しい顔つきになりました。作業を共にする方に、伊野波さんが言い聞かせている事だそうです。http://rca.open.ed.jp/city-2001/textile/ryukyuai/ryuai.html より