青の伝説(58) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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インド藍

《インディゴブルー》「インディゴ」とは「インドから来た」と言う意味です。正確に言うと「インドから伝わった藍染め」のことです。藍染めの歴史は古く、エジプトのテーベ遺跡で発掘された紀元前2000年頃のミイラに、藍で染めた麻布が巻かれていました。その後、藍染めはインド・中国へと広がっていきます。インドでは、インド原産の青色染材としてインジカンと呼ぶようになり、これが藍の代名詞「インディゴ」となりました。中国では、紀元前一世紀頃から筍子の「青は之を藍に取りて、藍よりも青し」との名言もあります。また、当初藍は薬用にも用いられ、漢方薬としても使われていました。アメリカでは藍の染色布は蛇などの爬虫類が嫌うとされていて、200年前からアメリカのカウボーイたちが藍の葉をジーンズの染色に用いていました。藍染めは、虫がよりつかないと、言われていますが、科学的に証明されないようです。「藍」をいくら分析しても、虫の嫌う成分は抽出されないようです。インド藍(インド・マレーシアに生えるマメ科の低木、木藍とも呼ばれ萩に似た植物、Indigofera tinctoria L)はその名の通りインドに自生し、初めは高貴な薬品として使用されていたようです。インド藍は、16世紀以降に染料としてヨーロッパ中に広がり初め、当時のヨーロッパでごく一般的に自生し、使用された染色植物であった「タイセイ」に比べて、染色能力が約30倍も勝る事からもかなり高価なものでした。発色性、定着性が容易に得られることから藍染め職人はインド藍を好んで使いたがりましたが、当時のフランスでは「タイセイ推進」のため、インド藍の使用を禁止し、処罰まで行なっていた記録も残されています。インドや東南アジアなどで行われているのは、"泥藍"を使って染める方法です。これは、葉を水に漬けて発酵させた後、石灰を入れてから攪拌し、色素の沈殿させたものを染料に使います。その沈殿させた藍を乾燥させる場合もあります。インディゴ・ケーキ(藍染めをする際に使う固形の藍)づくり、木藍を水につけ、藍の元となる成分が溶け出したその水を、男達が足を水の中で蹴り上げる事で水に酸素を溶け込ませ、藍を作ります。緑鮮やかな自然の中、全身を鮮やかなブルーに染めながら、男達が水を蹴り上げる光景は、見る者を圧倒する程の迫力があります。出来上がった藍のケーキは上質でとてもすばらしい物。また、作業から出る排水はそのまま灌漑に利用したり、木藍の残りかすも、堆肥にして畑に返すなど、藍に対しての誇りや自信など、そのものづくりの姿勢も見事なものです。画像は、http://www.naiad.co.jp/naiad_henna/mokuran.html より