《モナリザはレオナルドの自画像?》
紙に赤チョークで描かれた33.3cm×21.4cmの1512年から15年頃の素描。この絵がレオナルドの自画像であるという証拠はない。しかし、これがレオナルド自筆の肖像画であることは確かであり、いつしか、この肖像画がレオナルドそのものを最もよくあらわしているという見方が定着している。ということは、モナリザがレオナルドの自画像であるという説は、かなり証拠・根拠のうすいものである。1986年、アメリカのリリアン・シュワルツがダ・ビィンチの「自画像」と「モナリザ」をコンピュ-タ処理して重ね合わせてみたところ、これがピッタリと合い、モナリザ自画像説の有力な傍証のひとつになっている。紹介した画像は比較しやすいように素描を左右反転させて顔の向きを同じにしています。
《モナリザの声》
1970年頃、顔写真からその人の音声を合成する手法が開発されたと、多くのテレビで大々的に報じられ、モナリザの絵から合成したと称するイタリア語の音声が放送された。日本では、モナリザの声をコンピューターで再現した日本民間放送連盟のCMが評判になったり、日本音響研究所ではテレビで有名な鈴木松美教授が音について研究し、モナリザの声など偉人の声を復元したりしている。実際の音声を聞きたい人は・・・
http://www.hi-ho.ne.jp/ohsamu/mp3/lisa.html
しかし、合成音声の中には、人間が発声した単語や音声を編集して文章を合成する方式 (compilation) があるが、ここで言う合成音声は、全部機械式に合成するものである。編集合成なら韻律はかなり自然にできるが、モナリザの声を編集合成することはできない・・・という批判(意見)もある。モナリザの声を合成することは原理的に不可能ではないだろうが、各段階の処理は不可能に近いほど困難である。もし本当ならば、学会で発表するか特許を出願するだろうが、それがされていないことから考えると・・・まだまだなのでしょう。