螺旋物語(91) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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イザベラ

《「モナリザ」は誤報!日テレに抗議文》
3月26日放送の日本テレビ系「超歴史ミステリー!ルーブル美術館の秘密」で名画「モナリザ」が2点あり、うち1点が発見されたと紹介されたことに対し、東北大学大学院の田中英道教授(西洋美術史)が28日、「もう1点がコピーであることは学会でほぼ結論づけられている」などとして同局に抗議文を送った。田中教授によると、この1点は1980年代半ばにスイスの画商が売りに出そうとしたコピーといい、日テレは「スイスのモナリザの存在は専門家には知られていたが、今回日本で初めて映像化に成功した。絵は鑑定中」などとしている。(3月29日サンケイスポーツ)

《ニース版モナリザ》        

番組では、ニース版モナリザを弟子達の模写として結論付ける。そしてもう一枚のモナリザをあらゆるネットワークを使い探す。そして、ロンドンのアイルワースに住む美術専門家によって発見され、スイスの銀行の地価金庫に眠っているという情報をつかむ。18世紀イギリスの画家レイノルズがレオナルドの母国イタリアで購入。1962年ロンドンのピューリッツアー氏に渡る。アイルワースのモナリザを手に入れるため、私財を投げ出して入手したとしている。

《ローザンヌのモナリザ》

番組を見るまでに、私が得ていた情報では「ローザンヌのモナリザ」と表現されており、そして次のように解説されていた。

スイスのローザンヌには、もう一枚の「モナ・リザ」が眠っている。間違いなく、一目でモナリザとわかるそれは、全体の構図、女性の体型も手の形も全く同じ。もちろん、あのマユ毛もない。しかし、顔はやや小さく、色白であり、ルーブル美術館のモナリザよりも、冷淡な印象を受ける。そして、何より決定的に違うのは背景、我々が知っているルーブルの「モナリザ」の背景は緑豊かな山々が描かれているが、ローザンヌの「モナリザ」は荒涼とした山々である。モナリザは2枚あったのか?それとも、どちらかが偽物なのだろうか?よくみれば、確かにローザンヌの絵は、ルーブルのものに比べれば、どことなく安っぽく見えなくもない。背景のぼかしは、ルーブルのものに比べればほとんどない。ローザンヌのモナリザは、科学的分析ではどうなのだろうか?X線による分析によれば、ローザンヌのは使われている絵のキャンバス、使われていた絵の具とも、レオナルドの時代と一致しているどころか、全く同じ物であった。かたや、ルーブルのモナリザは、X線で見ても描き直しなどで残るはずの「影」がほとんどない。つまり、精巧な技術をもって描かれていたと言うことになり、そんな技術を持っているのはレオナルドには考えにくい。ローザンヌのモナリザと、疑惑の残るルーブルのモナリザ。ルーブル美術館によれば、ダ・ヴィンチが2つもモナリザを描くことはないと言う。ならば、盗まれていた間に贋作が作られたのだろうか?

《アラゴンのモナリザ》

芸術の庇護者であり、モードの権威でもあったマントヴァ公妃イザベラ・デステ Isabella D'este がモデルという説もあります。「モナリザ」とプロポーションが一致しています。「アラゴンのイザベラの肖像」はスイスで私蔵されていますが、詳細はわかりません。容姿や胸の谷間など微妙に異なりますが、背景も含めてほぼ同じ絵柄です。