青の伝説(9) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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空と海

「色」は、光の「波」としての性質から出てくる現象の一つです。「色」が違って見える原因は、「波長 λ(ラムダ)」と言うものが関係しています。波長は、読んで字のごとく「波の長さ」のことです。光の場合、この波長の長さによって、その光の持つエネルギーが違ってきます。この光の持つエネルギーが違うことによって、「その光の色」が違ってくることになります。「色が違う=光の波長が違う」と言うことです。

《海の青》

海(水)は青い波長の光を反射しやすいため、青く見えているのです。光が海に入ると、光の一部は海に吸収され、一部は反射されます。この光が吸収されたり、反射されたりする量は物によって違うのです。水は青や緑の光を吸収せずに、その光を反射するのです。このため、海は青く見えているのです。また、海の状態や水質によって、反射される光の色が少しずつ違ってきます。水分に含まれる不純物などが多ければ、より青から緑色を反射するようになり、不純物などが少なければ、反射される光も薄い色(水色)などと変化していきます。だから、きれいな水ほど透明度も良く、より鮮やかな色の海になっているのです。

《空の青》

空は、季節や時間によって変化したりして、いろいろな空があります。見上げるだけでも、いつも色んなことを感じさせてくれます。空が青く見えるのは、海が青い光を反射しているのとは違って、太陽の光が空気中の分子やほこり、水滴などにぶつかって、色々な方向に跳ね返ることが原因なのです。これを「光の散乱現象」と言います。「散乱」とていう現象は、「光や粒子が多数の小さな粒子に当たって、方向が不規則に変わり、散らされる現象。」ということなのです。簡単に言うと、「今まで真っ直ぐに走って来た光が、何か粒子などに当たって、その方向が変えられてしまい、光の進路が邪魔されてしまう。」と言うことです。この散乱の度合いは、「波長の短い光(紫や青の光)ほど大きい」と言う特徴を持っています。赤やオレンジの光は波長が長いため、分子などの粒子に当たる確率が低くなり、そのまま素通りやすくなります。しかし、波長の短い光(紫や青の光)は波長が短いため、分子に当たる確率が高くなります。分子に当たった光は、散乱されて進む方向が不規則に変えられてしまいます。この散乱されて進む方向が変わってしまった光は、次々と再び分子などの粒子に当たって方向を変えられていきます。赤などの波長の長い光は、あまり散乱されないため地上に早く到達しますが、散乱されやすい青や紫の波長の短い光は何度も散乱されて、進む方向が次々と変化してしまい、地上に到達するのが赤い光より遅れることになります。その結果、青や紫色の光が空全体に散り散りバラバラとなり、空に青や紫色の光が貯まっていくことになるのです。つまり、空は青や紫色の光が満ちあふれた状態となっていくのです。(ただし、散乱されるたびに光はだんだん弱まって行くので、ずっと同じ光が空に留まっていることはありません。)さらに、紫色の光は、私たち人間には非常に見にくい(感じにくい)色なのです。そのため、紫色の光は空にあっても、私たち人間にはほとんど見えていないため、空の色は青に見えるのです。とても面白い現象です。もし、緑色の光が強く散乱させられていたとしたら空はきっと緑色。もし、人間が紫の光も良く見えていたら空はきっと紫色に見えたかもしれません。