螺旋物語(40) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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《タツノオトシゴ》下画像
トゲウオ目Gasterosteiformesヨウジウオ亜目Syngnathoideiヨウジウオ科Syngnathidaeタツノオトシゴ亜科Hippocampinaeタツノオトシゴ学名Hippocampus coronatus英名crowned seahorse日本に生息する仲間ハナタツ、イバラタツ、サンゴタツ、タカクラタツ、オオウミウマ、クロウミウマなど
タツノオトシゴ(海馬)はその風貌から日本では江戸時代まで「虫」とされていたそうですが、プランクトンを食べて生きている立派な魚です。コウジウマ科ウミウマ属の魚で、体長5~15cm、尾を海草に巻きつけて生活しています。オオウミシマ、イバラタツ、大海馬などを乾燥したものが、漢方薬や食品として使われています。タンパク質、脂肪、多種のアミノ酸を含んでおり、男性ホルモン作用があるといわれています。中国ではタツノオトシゴ(海馬)は補腎(腎機能を強化する薬)作用があるといわれ、漢方、薬膳料理によく用いられます。漢方におけるタツノオトシゴ(海馬)は、強壮薬として疲労回復、ED(勃起不能障害)や精力減退、遺精に用いられます。生物の性機能に及ぼす効果・効能は実験でも証明されており、臨床実験でも有効なデーターが得られています。腎機能を強化することにより慢性腎炎やネフローゼ、腎不全、老人の頻尿や尿失禁、夜間多尿、それに前立腺肥大や前立腺炎による排尿困難などの治療にも用いられることがあります。女性の子宮発育不良による不妊症にも用いられますが、分娩を促進する作用があります。また、皮膚化膿症の治療に海馬をスープとして服用すると効果があるといわれています。人間の脳の記憶をつかさどる部分も「海馬」といい、その形がタツノオトシゴに似ているところから命名されたと言われています。頭の部分が他の魚と違い、体に対して直角に曲がっています。耳のような胸ビレがあり、その後ろには呼吸のためのエラがあります。背ビレと小さな臀ビレはついていますが、腹ビレと尾ビレはありません。ヒレがない特徴的な尾は、骨が先の方までつづいていて、骨と骨の間にうまくすき間があり大きく曲がるため、海藻などに巻き付くことができます。そしてエビ・カニの仲間に間違えられるゴツゴツした体の表面ですが、殻ではありません。ウロコでもないのです。これは「骨質板」というもので、体全体をおおっています。見た目や名前からは甲らのように非常に堅そうに見えるものですが、実際に触ってみるとなんだかイボイボのある堅めのゴムのような感じがします。タツノオトシゴは“卵を産む”(産卵)のがメス、“子供を産む”(孵出)のはオスです。オスはカンガルーのような袋(育児嚢)を持っていて、メスから卵を受け取り、子供をこの中で十分に成長するまで保護します。卵を受け取って2~3週間後オスのお腹はパンパンにふくれています。それはまるでサンタクロースのプレゼントをいっぱい詰め込んだ袋のようにゴツゴツとした感じになります。体を伸ばしては「く」の字に曲げる運動をくり返し、ようやく一匹目がでると、一匹また一匹と出てくる間隔が少しずつ短くなり、袋に余裕が出てくると後はポン、ポンという感じで飛び出すようになります。それでも、全部が出てくるまでには2時間近くかかります。出てきた子供たちはすぐに、小さなしっぽを海藻などに巻き付けて、目をキョロキョロ動かしあたりを見回します。
《シードラゴン》上画像
ヨウジウオ科Syngnathidaeトゲウオ目GasterosteiformesシードラゴンPhyllopteryx属
本種は吻がパイプ状に長く伸びて、その先端に小さな口がついている。"Weedy(海藻のような)"という英名は体にある葉のような付属物に由来する。タツノオトシゴと近縁であるとされるが、タツノオトシゴと異なり腹部に育児嚢を持たず、その代り、オスは尾柄部の下に卵をくっ付けて孵化するまで保護する。普通はジャイアントケルプが生える水深3m~50m程の沿岸の岩礁域にすみ、アミ類やその他の小型の甲殻類を食べている。