螺旋物語(39) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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《つる・蔓》
朝顔に 釣瓶とられて もらい水 加賀千代
朝顔の蔓は右巻きそれとも左巻き?朝顔のつるはいつも同じ向きに巻いて成長する。ただし、左巻きというか右巻きというかは、ちゃんとした定義がなく、植物学者によってまちまちである。ふつうの木ねじの山の巻き方を右巻きとすれば、朝顔のつるはすべて右巻きである。ササゲ、ヤマイモなども右巻き、スイカズラ、ガガイモなどは左巻きである。面白いことに、近縁植物でも、ふつうのフジは左巻き、ノフジは右巻きである。面白い実験をした人がいて、インゲン豆の蔓は、右巻きだが、無理やりに左巻きにしてやると、豆の収穫量が増えたと言う。驚くべきことに「植物の世界では、つるを上から見て反時計まわりが左巻き、その逆が右巻きとされます。」ということである。物理や化学では、P(プラス)M(マイナス)でねじれを表し、右にまわすとまわしている人から離れていく(いわゆる右ねじに関係付けられる普通のねじ)ものをPの螺旋、その逆をMの螺旋という。ワイヤーロープのねじれも当然、右巻きと左巻きとがある。これを「Z撚り」「S撚り」で表すが、ねじれがローマ字のZ、Sの斜めの線と一致しているかどうかで決めるという。
《葛・蔓》
かずら、かづら、くず、つづら、ふじ。つる草の総称。蔓植物・蔓性植物、茎が蔓となっている植物の総称。他の物に巻きつくアサガオ、地面をはうサツマイモや、巻きひげで絡みつくブドウ、吸盤をもってよじ登るツタなど。フジなど木本のものを藤本(とうほん)ともいう。はびこる【蔓延る】まんえん【蔓延・蔓衍】。
《葛藤》
葛(かずら)や藤(ふじ)のこと。枝がもつれ絡むところから、人と人が互いに譲らず対立し、いがみ合うこと。心の中に相反する動機・欲求・感情などが存在し、そのいずれをとるか迷うこと。仏語では、正道を妨げる煩悩のたとえ。禅宗では、文字言語にとらわれた説明、意味の解きがたい語句や公案、あるいは問答・工夫などの意にも用いる。
《蔓・Vines》
学名:Ficus kerkhovenii、分類:クワ科イチジク属、花言葉:多産、場所:熱帯全域。ジャングルをより一層不気味に演出するのがこの蔓です。蛇のように木々に絡み付く姿は印象深いものです。蔓としか名前が出ませんが、シメゴロシイチジクという植物です。漢字で書くと絞殺無花果、なんとも物騒な名前です。そんな物騒な名前がついたは、この植物が寄生植物と呼ばれるもので、木に寄生して養分を吸い取って生きています。そして最後にはその蔓で木全体を覆い尽くし枯らせてしまうのです。ですから、この木はジャングルの殺し屋とも言われています。ただ、宿主の木が枯れると自分も枯れてしまう運命にありますので皮肉なものです。ガジュマル、ベンジャミンなどが有名なシメゴロシイチジクの仲間です。ちなみに「葡萄」はGrape Vinesです。
《モダマ》
西表の沢沿い、汽水から淡水へと変わるちょうどその辺りから、なにやらウネウネと太い蔓が川岸の木々の梢に絡み付いている。蔓はそれ自体も伸びたバネのようにトグロを巻き、梢から川面に垂れ下がり、また梢に登る。太いところでは直径50センチを越えるこの蔓には葉が見えない。蔓が細くなっている先端部分では僅かに葉が茂っている。屋久島以南の亜熱帯、熱帯の森に生える巨大な蔓性のマメの仲間。巨大な莢を高いところからぶら下げ、その莢や異様な蔓は立派なインテリアになる。また莢の中に15も入る光沢のある硬いマメはアクセサリーにも利用され、人気がある。このマメが沢の流れに乗って海へと下り、今度は潮の流れで色々な場所へ漂着する。海流散布で子孫を広げる植物の代表格。
《つるりんどう(蔓竜胆)》
つる性多年草、Tripterospermum japonicum【りんどう科まるりんどう属】全国に分布、8~11月に林の中の地表に咲く。高地から低山まで分布巾が広い。草や木に絡まる、花径2センチ程度で秋から冬にかけて赤い実が出来る。
《竜胆》
リンドウの根および根茎。漢方で健胃薬などに用いる。
《くろたきかずら(黒滝蔓)》
Hosiea japonica【くろたきかずら科くろたきかずら属】沖縄を除く近畿以南、5~6月ごろ薄い黄緑の小花を数個咲かせる。雌雄異株、葉は大きめで鋸歯の形が特徴、山地に生えるつる性落葉低木でつるは数メートルになる。9~10月ごろ長さ15mm程度の緋色の実を垂らせる。名前は四国の黒滝山で発見された為、この科の植物は主に熱帯に産する。
《蔓籠、木通(あけび)》
熟すと実が開くので明け実と言うのが、変わってあけびの由来だそうです。北海道を除く各地での山野に自生するつる性の落葉植物で、4月に若芽が出ると淡紫色の花が咲き、秋には淡紫色の楕円形の実がなり、割れた仲に白色半透明の果肉と黒い種が有ります。一般に山に自生するあけびは灰褐色に近く実も同じです。あけびの木部には、アケビンと言う配糖体が含まれています。あけびのつるを輪切りにして、天日で乾かして漢方では「木通」と言い、利尿、鎮痛剤、膀胱炎、腎臓炎の薬として用いられます。果実は生で食べる。果皮、葉も食用できる。果皮は苦味と芳香が有り油で炒めてからみそや砂糖で味付けし葉や若芽は天ぷらや和え物にする。つるは丈夫で弾力性が有り籠などに利用され山村の土産店では、よく見かける籠つるは、このあけびのつるを利用している。