螺旋物語(38) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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《捩花》
蘭(らん)科。学名は Spiranthes sinensis var. amoena。Spiranthes : ネジバナ属、sinensis : 中国の、amoena : 愛すべき,人に好かれる。Spiranthes(スピランセス)は、ギリシャ語の「speira(螺旋(らせん))+ anthos(花)」が語源。花穂が螺旋状にねじれるところから。開花時期は、6/25頃~7/15頃。明るい草地に生える。 小さなピンク色の花が20個以上らせん状について咲く。珍しい。なぜねじれるのか?花がみな一方向に向けば茎が傾くので、花の方で工夫してわざとねじるように花をつけるようになったという説がある。見たところ、咲いているものは10日ほどで枯れてしまう。芝生の中に咲いていることが多いのでその背丈の低さで見逃してしまう。別名「捩摺」(もじずり)。
「みちのくの しのぶもじずり 誰ゆえに 乱れむと思ふ 我ならなくに」古今集 河原左大臣
《スパイラルとヘリックス》
平面状のものが渦巻線(螺旋とも言う)でspiral(スパイラル)。立体状のものが螺旋でhelix(ヘリックス)です。有名な渦巻線が二つあります。アルキメデスの渦(巻)線(Archimedes Spiral)アルキメデスの螺旋とも言います。チョット難しくなりますが数学で表すとr=aθで、幅が一定の渦巻きです。渦巻き型の蚊取り線香のような形です。対数螺旋(Logarithmic Spiral)数式だとr=exp(aθ)ベルヌイの螺旋、等角螺旋などと呼ばれることもあります。オーム貝のように次第に幅が広くなる渦巻きです。
《螺子(ねじ)screw》
日本にネジが伝わったのは、1543年に種子島に漂着したポルトガル人の持ち込んだ鉄砲だと言われています。鉄砲には銃底を塞ぐためのネジ(尾栓ねじ)が使われていました。鉄砲の国産化に向けてこのネジの製作が問題でした。雄ネジの方はまだ良かったのですが雌ネジの方は随分苦労したようです。ところで英語のscrewですが、語源はラテン語scrofa(繁殖用の雌豚)です。豚のしっぽが螺旋状にまいているところから来たのかもしれません。
《ヘリコプター①》
ヘリコプターの語源はギリシャ語の helix(らせん)+pteron(つばさ)から来ている、と前にも書きました。ヘリコプターの原型はダビンチの残したスケッチだと言われます。ヘリコプターの日と言うのがダビンチの誕生日にちなんで4月15日になっています。実際のヘリコプターの発明は1907年、ポール・コルニュによります。
《ヘリコプター②》
古より現在に至るまで、世界各地には人が空を飛ぶという鳥人伝説が多々あるが、中国においては金斗山に住むという仙人が有名である。本来「降龍」は仙人が四年に一度、民衆の前に山から下界に降り姿を現すという意味であった。それを現実の拳法に具現化させたのが、中国拳法史上最大の奥義である降龍天臨霹である。これを極めるには、両端に羽状形態を有する杖・棍などを尋常ならざる速さで回転させるための手首の力は勿論のこと、ずば抜けた平衡感覚が必要とされる。現代のヘリコプターは前述の金斗山に住んでいたという仙人、聘李古浮(へいりこふ)の名前に由来するという・・・ホンマかいな
《ヘリコバクターピロリ(Helicobacter pylory)》
胃潰瘍や胃がんの原因菌として近年注目されています。このヘリコは細菌が螺旋状をしていることからつけられました。バクターは細菌を意味します。またピロリの方は、最初に発見された場所、幽門部 pylorus から来ています。胃のような強酸性の場所でも生きているのですからすごい。