螺旋物語(35) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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用事があって四国に行く途中、明石大橋を渡って鳴門へ、そうです「渦潮」も螺旋ではないかと気付いたのです。
《鳴門の渦潮》
鳴門海峡は、中央部がぐんと深く約100メートルほどあり、潮流は抵抗なく早く流れます。この流れを本流と呼びます。一方、本流の両岸は浅瀬になっているため、抵抗があって流れはゆるやかです。渦潮は、この本流と両岸の緩やかな流れの境目付近で、本流の速い流れに巻き込まれるような形で発生します。大きなものになると直径20メートルにも達します。渦が巻いている時間は、数秒から数十秒。渦が出来ては消え、消えては新たな渦が発生し、そして消え、また発生します。太陽と月の引力によって生じる潮汐(ちょうせき)によるものです。潮の満ち引きは、太陽や月の引力などによって発生します。特に、月の引力は地球に近い分大きな影響力を及ぼします。地球の自転と共に、月は東から西へ移動していきます。月の引力によって海面が引き上げられ、潮位を上げながら月の運航を追いかけていきます。太平洋沖合いから西へ伝播してきた潮汐は、瀬戸内海の入り口・紀伊水道で2つに分かれ、一方は鳴門海峡南側へ到達し、満潮を迎えます。もう一方は友ケ島へと向かい、大阪湾・明石海峡を経由して、鳴門海峡北側へと到達します。鳴門海峡北側が満潮になった時、南側が満潮を迎えてからすでに約5時間が経過しており、干潮となっています。それによって水位に差が生じ、潮位の高い方から低い方へ、つまり北から南へと潮が流れます。この流れを『南流』と呼びます。そして約6時間後(1周期12時間として約半分) には逆に鳴門海峡北側が干潮になると南側が満潮となり、南から北へと流れます。この流れを『北流』と呼びます。このような干満差は一日4回、毎日繰り返されています。流れの速い本流と、その両サイドの緩やかな流れの境目付近で渦が発生します。速い本流の流れに流れの遅い水が引き込まれて渦潮がまくものと考えられています。
《カルマン渦》
流れの中に物体がある場合に、その物体後方に生じる規則的な渦列のことをいう。この渦列は逆向きに回転する渦が千鳥状に交互に並ぶことで知られている。岸辺や橋の上から棒を流れに差し込んでみると、水面にきれいな渦の列が見える。風呂で湯舟につかって指を1本水面から突き出して、その指を静かに横に動かすと、指の後ろにカルマンの渦列が見える。すなわち、物体によって流れが堰きとめられるため、物体後方の中央部での流れは遅く、その両側で速くなる。そして、このような速度分布で発生した速度差によって2列の渦列が形成されるわけである。ちなみに、この渦列の名前は、渦のこのような千鳥配置が安定であることを理論的に示したテオドール・フォン・カルマンに由来している。