
(1)竜巻(トルネード)
「 積乱雲ないし積雲に伴って発生する鉛直軸を持った激しい渦である。」
気象観測法では、「激しい渦巻。柱状または漏斗状の雲が積乱雲の底から垂れ下がり、海面から巻き上げられた水滴、または地面から巻き上げられた塵、砂などが、尾のように立ち上っている。」と定義している。さらに、「漏斗状の雲の軸は鉛直かまたは傾いている。時には曲がりくねっていることもある。漏斗の先が、地面または海面からの「尾」とつながっていることが珍しくない。竜巻の中の空気は、低気圧性に急速に回転することが多い。積雲の下に弱い竜巻が観測されることがある。」と解説している。
(2)ダウンバースト
突風現象のうち比較的小規模なもので、下降噴流、下降突風と和訳されている。雷雲には下降流があり、それが地表面に到達すると冷気外出流(コールド・アウトフロー)として水平に広がる。この下降流や冷気外出流が強く、災害を起こすほど強いものをいう。ダウンバーストは、そこからの外出流の広さによって2つに分類することがある。
1 マクロバースト :強風域のおよその直径が4 km以上のもの
2 マイクロバースト:強風域のおよその直径が4 km未満のもの
(3)突風(ガスト)
1 広 義 :自然風には、短時間のうちに風速が強くなったり弱くなったりして不規則な変 化をする、「風の息」といわれる現象がある。その中で一時的に強く吹く風を突風(または瞬間風速)という。
2 狭 義 :顕著な寒冷前線や積乱雲中の強い下降気流に伴う強風をいい、前述の1項と区別 している。なお、ダウンバーストは狭義の突風現象である。
http://www.fujita-scale.com/index.html
《ツイスター》1996年アメリカ映画1時間53分
これはアメリカ西部のすごい竜巻のこと。竜巻ならトルネード、ところがツイスターは竜巻がねじれて飛び込んでくるという恐怖。遠くから目前に迫り、家も車も牛までもぶっとばして空に舞い上げる超巨大ハリケーンを実際にキャメラ(ジャック・グリーン)で収めて見せるばかりか、実はこの荒れ狂うツイスターを探し求めて追い、そのツイスターと正面切って対決する人間たちを見せるのが見どころ。何ゆえに竜巻にこちらからぶつかってゆくのか。という怖さ面白さ。そこがこの「スピード」のヤン・デ・ボン監督の見せどころ。実はこれこそは、その巨大竜巻を調査し、その竜巻の現れる土地を調べて竜巻の来るのを待ち構える気象調査係という、アキレモモノキサンショノキの連中の映画。地鳴りごう音、目前に迫る天をも焦がす砂じん。映画はここにその映画の力をあふれさせた。出演者ビル・パクストン、そしてヘレン・ハント。それよりも主演者こそは巨大竜巻。そしてここに知る、この映画のプロデューサーに「マディソン郡の橋」のキャスリーン・ケネディがいる上に、その名もスピルバーグというやり手が指揮していることで、この映画の狂風がただ者でなきを知られよ。このところ儲け主義の名プロデューサー、スピルにしては、今回の“嵐(ツイスター)”には脱帽。(淀川長治さんの解説より)