青の伝説(53) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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オットマンブルー

オットマンブルーオットマンはオスマントルコの創始者の名前。オスマン帝国は13世紀末から20世紀はじめまでアジア地域からヨーロッパ、アフリカまで支配していた大帝国。オスマン帝国のブルーをオットマン・ブルーという。オスマン朝美術には限りなくブルーの装飾が出てくる。600年もの間、大帝国として存在し最盛期の16世紀にはフランスと同盟関係にあったオスマン朝、当然文化や美術の面でもフランスに影響を与えたと考えられる。チュルコワーズ(日本ではターコイズブルーなどとも言われる)という響きは、太陽の少ないフランスでは真っ青な空の色、太陽が輝く青い空を想像させる憧れの響き。オットマン・ブルーも同じ、あの地中海やギリシャの向こうにある、かつて大帝国であったトルコ地方の青い空、そして太陽に輝くブルーのモスクを想像させる色。トルコ石という宝石も美しい青色をしている。12月の誕生石であるこのトルコ石、トルコの名産だと思っていると、今も昔もトルコ石はトルコでは採れないそうだ。13世紀頃ペルシャやエジプトで採れた青い宝石がトルコを経由してヨーロッパに運ばれていたことから、経過の中で「トルコから来る石」=トルコ石と呼ばれるようになったという。紀元前3000年のエジプトの女王もトルコ石のブレスレットをしていた。また旅を守る石としてコロンブスはトルコ石を持って大航海に旅立ったと言われている。トルコ石は贈るより贈られる石、贈られた人が幸福になる石。男性の守護石とも言われる。「オットマン付の椅子」、足をのせる台が付いた椅子のことをオットマンと言う。オスマン帝国からこういう椅子がヨーロッパに伝わりこう呼ばれるようになったらしい。フランスの家庭の居間のテレビの前なんかにはよく、足のせがついた椅子がと置いてある。椅子の文化でもヨーロッパに影響を与えたオスマン文化、トルコ石の名前の由来を考えると、いかに当時のオスマン帝国がヨーロッパと中近東、東洋を結ぶ文化や貿易の重要地点であったかがよくわかる。オットマン・ブルーはターコイズブルーのトルコ石と同じように遠くオスマンから来た幸福を運ぶ色である。画像はルノー・メガーヌの人気カラー「オットマン・ブルー」。