日本のドキュメンタリー映画で忘れてならないのが「東京オリンピック」。総監督は市川崑さん、、「オリンピックは人類の持っている夢のあらわれである」という字幕で始まり、画面いっぱいに白熱の太陽が昇ります。そして聖火リレーの国内シーンは広島の原爆ドームから始まりました。開会式から20の競技がアベベ優勝のマラソンまで次々に展開。最後は閉会式で、選手たちが国別の整然とした行進をせず、日本の旗手・福井誠選手を肩車し、あとは国境も人種も超えて腕や肩を組み合って入場するハプニングがありました。映画はこのあと太陽が沈み、聖火が消え、そして「聖火は太陽へ帰った。人類は4年ごとに夢を見る。この創られた平和を夢で終わらせていいのであろうか」の字幕が流れ、平和と友情をテーマとしたオリンピックという壮大な抒情詩が完結します。