オリンピック(2) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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東京オリンピックの忘れられないポスター。亀倉雄策さんの作品です。この東京オリンピックのためのデザインについて、勝見勝さんを中心とするデザイン委員会が設けられて一貫したデザイン・ポリシーが計られました。それは、東京大会マークを一貫して用いること、五輪マークの五色を重点的に用いること、書体を統一すること、つまり視覚言語の重視でした。そして指名コンペによって亀倉さんの制作したシンボルマークが決定されたのです。そして、このシンボルマークを中心にオリンピックのデザインポリシーが展開されたのである。そして、鮮烈な印象を与えたシンボルマークをポスターにした作品を1961年に制作し、1962年には陸上競技のスタートダッシュの一瞬を真横から撮った写真を使用したポスターを、翌1963年には水泳のバタフライの泳者を真正面からとらえた写真を使用したポスターを制作しています。競技者の力のこもった瞬間を画面に定着させ、激しい息づかいさえ感じさせます。画面の優れた構図と下部に鮮やかに記された日の丸と五輪、そして「TOKYO 1964」の金色の文字。オリンピックの意味を端的に表現している画面、そして力強く明快な構図は、他の美術とは異なったポスター独特の美しさをもっています。「アメリカやヨーロッパと比べると大きく遅れていた」我が国のデザインをこの一連のポスターによって早くも世界のトップレベルに到達させたのです。