去る6月22日の土曜日に、シューレ大学20周年記念イベント「自分から始まる生き方を創る」に行ってきました。
シューレ大学とは、自分から始まる表現や学びを模索するオルタナティブ大学。不登校やひきこもり経験者が多く在籍し、学生自身が授業計画など運営にも携わります。
僕がシューレ大学を初めて知ったのは、以前のブログでも紹介した「自分らしい生き方シンポジウム」というイベントでのこと。
多くの若者が運営の一翼を担っていたのですが、まあ彼らの生き生きしていること!初めはそうと知らなかったのですが、聞けば彼らはシューレ大学の学生・元学生たち。僕はがぜんシューレ大学に興味を持ったのでした。
シューレ大学20周年記念イベントも、予想通り実に面白かったです。
第1部は、作家の平野啓一郎さんによる講演「複数の自分を生きる」。
平野さんは僕が注目している作家のひとりで、彼の提唱する「分人主義」はとても魅力的です。
「分人主義」とは、いわば「個人」の新しい捉え方。たったひとつの「本当の自分」が存在するのではなく、他者との関係ごとにそれぞれ違った自分が存在し、その複数の自分(=分人)の総体が「個人」である、という考え方です。
「この人と一緒にいる時の自分が好き、という「好きな分人」が一人でもいれば生きていける」
「いろんな場所ごとにいろんな自分になるのは当然。より生き心地のよい関係をつくる」
「アイデンティティをひとつに絞り込まない。複数の自分を生きる」
彼の言葉には、これからの時代を生きるヒントがたくさん詰まっているように思います。
ちなみに分人主義的な考え方は、僕のやっている時間論とも関わっています。時間と言うと、僕らはつい時計の時間のような「たったひとつの絶対的な時間」があると思いがちですが、実はそうではなく、他者との関係ごとに、常に創造されていく多様な時間があるのではないでしょうか。
平野さんの講演の様子は、シューレ大学のホームページでもレポートされているので(コチラ)、ぜひ覗いてみてください。
第2部では、シューレ大学20年の活動を紹介するプレゼンテーションが行われました。いまや世界から注目を集めるシューレ大学ですが、そうなるまでには、何もないところから一歩を踏み出し、よりよい学びの場を模索する過程があったことを知りました。考えてみれば当たり前のことですが、そういう「歴史」を僕たちはついつい忘れてしまいます。
僕は次の予定があったのでここで退場したのですが、参加できてとてもよかったです。帰りには、僕のお気に入りのせっけん「マルセイユ石けんあわあわ」をお土産に購入。しかも今回はハーブの香り付き「あわあわハーブmix」にしました。さっそく使っていますが、これは本当にいいですよ。ハーブの香りに癒されながら、お肌もすべすべになって、女子力アップ間違いなしです(笑)。
ちなみに、6月25日に発行された地域づくり情報誌『かがり火』では、シューレ大学の修了生である山本菜々子さんと対談させていただきました。とっても面白い内容になっていますので、よければご一読ください。書店には置いておらず、定期購読のみとなりますが、地域づくりに役立つ情報満載の雑誌ですので、ぜひご検討いただければ幸いです。
シューレ大学は、不登校とかひきこもりとか関係なく、自分が諒解できる生き方を創造するための、最高の学びの場であり、実践の場であると僕は思います。