写実が、美意識の育てる。 | 学びスタジオ®︎ブログ〜教育あれこれ

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小さな個人塾を経営しています。「一緒に学ぶと、可能性が広がる」と考えています。教えるより、考えるように導きます。子どもと一緒に考えると、子どもが能動的に考えるようになります。そして、一緒に考える楽しさと、一人で考え抜く力を身につけていきます。

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❤︎5歳のデイジーの似顔絵
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デイジーは、
似顔絵のスケッチを描いてもらった。
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顔の特徴をよく捉えた絵が完成した。
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それを見たデイジーは、
全く喜びません。
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「ママの方がうまいよ」といいます。
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そして、ママの絵を見せてもらいました。
その絵は、
マンガ的に目はパッチリ、髪にリボンをつけ、デイジーと似ても似つかぬ顔でした。
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デシジーは、ママの絵を見せて、
「これ私、かわいいでしょ」と言いました。
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❤︎5歳のアリッサの似顔絵
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次に、アリッサの似顔絵のスケッチ
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アリッサの顔の特徴を捉え、写実的に描きました。
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それを見たアリッサは大喜び。
「わぁ、よく似ている。色のつけて」
と言いました。
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「髪の色は?」と聞くと、
アリッサは、「ピンク」と答えました。
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大人では考えつかないピンク色の髪は新鮮で、その子のかわいらしさを強調してくれて、思いがけぬ効果が出ました。
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❤︎親の既成概念
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既成観念にとらわれて、
女の子のまつげを目の上下に描き、小さな口元に長い髪、リボン……
という型どおりの絵が、自分の似顔絵だと思い込むデイジー
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お母さんの描く、型にハマった絵によって、夢や想像力を抑えつけられています。
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❤︎アリッサの自由な発想
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ピンクの髪の色を選んだアリッサは、
自分の顔を特徴を理解し、
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そして、自分の髪の色が、好きな色のピンクだったら可愛いだろうなと、想像したのです。
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❤︎お母さんが絵を描くとき
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上手に描けるほうがいいのですが、下手でもかまいません。
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写実的に、特徴を捉えて正確に描くようにしてあげましょう。
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❤︎大人の美意識を押しつけてはダメ
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子どもは、3歳ごろから美意識も芽生えてきますが、大人の感覚を押しつけてはいけません。
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幼児が自由に表現しても、
お母さんの手本は、よく観察して実物になるべく近く描くことが大切です。
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❤︎絵本を見せる
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見せる絵本の中には、
ときどき抽象的な絵があります。
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そんなとき、親は、
「とてもやわらかいね」
「この色、好きだよ」
「こんな花があると面白いね」
などと言ってその絵を評価せず、
何も言わずに、
子どもに自由に眺めさせておきます。
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また、
あまりにも変わった感覚でとらえた絵本は避けます。
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それよりも、しっかりと対象をとらえることが大切です。
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❤︎幼児の間は、写実的なものでよい
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幼児の好きな色、ピンクならピンク、青なら青と、同系統の色を数多く集めて見せてやり、同じ色でもいろいろあることを知らせます。
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例えば、
同じ木の葉でも濃く見えたり黄色く見えたりすることを指摘すると、
色の違いを気にできるようになり、
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多くの色を使って彩色することをし始め、単彩画をいっぺんに卒業することもあります。
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微妙な色合いの違いを観察できたのだと思います。
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❤︎表現力豊かな子どもに
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大人の既成概念を押しつけず、
自然を見せたり、人が作り出した造形を見せたり、
いろいろなものをありのまま見せて、美意識を育ててあげたいですね。
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子どもの中で育った美意識に、いずれは言葉が加わり、表現力豊かな子どもに成長していくことでしょう。

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