57 癌患者の健康診断(平成27年度/人間ドック)(その1)
癌の治療中であっても、労働安全衛生規則で会社に義務付けられている一般健康診断は受けなければならないとのことだった。我が社はいわゆる自社ビルで、いろんな大きさの会議室を持っている。毎年この季節になると、委託検査機関が移動レントゲン車に乗ってきて、会議室を簡易衝立で仕切り、心電図や医師の問診、採血などができる「小部屋」を作って健康診断を行う。移動する際は一々服を着るのが面倒なので、上半身裸や下着一枚で移動する社員も多い。簡易衝立なので、話し声などは筒抜けだ。僕が癌になって初めて受ける健康診断になるのだが、会社で受けるのは上に書いたとおり、プライバシーが十分でないのでやめておこうと思っている。僕が乳がんだなんてことは誰にも覚られたくはない。もう一つの理由は、会社では最低限の検査項目しか検査をしてくれないので、もう少し検査項目の多い半日ドッグを考えているからだ。特に胃カメラは今までやったことがなかったので、かねてから検査してみたいと思っていた。胃カメラは苦しいと聞いているが、こんな検査を進んで受けようと思う自分自身に驚いてしまう。癌の再発発見の検査は主治医にお任せするのだが、癌以外の病気の早期発見と予防のためだ。5年生存率のカウントダウンは着実に進んでいると思うが、それでもこれ以上大きな病気はしたくない。主治医に人間ドックのことを相談すると、「検査することはいいことです。でも胸のMRIと骨シンチの検査は治療の中で行うので受けないでくださいね。視力と聴力の検査は僕ではできないので、健診センターに行ってください。検査結果は電カルにも入ってきますから」とのことだった。病院では、1泊、1日、半日のコースがあるが、半日コースで40,000円である。会社で受ければ無料なのだが、上にも書いたように最低限の検査しかしないので自費で人間ドックを受ける社員も多いようだ。40,000円は決して安くはないが、大きな病気になると治療にそれ以上にお金がかかることを経験した僕は、もったいないとは思わない。半日ドックはGW明けに予約することができた。胃透視と胃カメラが選べたが、胃透視で再検査になると胃カメラになるそうなので、鼻からの胃カメラを選択した。また終われば昼食がでるようなので、ぼくは和食をチョイスすることにした。