160 癌患者の健康診断(平成28年度)
2016.5.25労働安全衛生法で定められている年に一度の健康診断の日がやってきた。胸を失ってから受ける2度目の健診となる。会社が指定する病院で受診すれば自己負担なしで受けられるのだが、ヅラや乳首のない胸のことを考えると、自腹を払ってでも同僚社員と顔を合わせないところで受けたい・・・なんて乙女チックなところが自分でも気持ち悪い。日記を読み返すと、前回の健診は2015.5.10に手術をした病院で半日ドックを受けていた。ちょうど8回目のハーセプチンの時であった。今回は人間ドックではなく、最低限の検査のみにしようと思っていた。理由は、〇 癌を早期に発見するための検査は現在のクリニックの先生がフォローしてくれているし、高い検査費を払わなくても先生のオーダーがあればCTでも腫瘍マーカーでも保険診療扱いになる。〇 僕の最大の関心事は癌の再発なので、あまり他の病気のことは考えていない〇 癌になって健康診断をがんばっても仕方がないと思うからだ。今回の健康診断は前回と同じ手術を受けた病院で受けるわけにはいかない。ご存じのとおり、僕は昨年10月に単身赴任したからだ。手術を受けた勝手知ったる病院での健診は気楽であるが、そのためだけに往復の交通費をかけて帰ることはできない。しかし単身赴任先で受けるとなると初めて行く病院は不安だし、それに男性乳がんを関係者に一々驚かれるのもめんどくさい。現在のクリニックでも健康診断はできるようだが、クリニックなので何しろ狭い。それにけんぽの補助の対象外だ。しかし僕の病気のことを知っている先生が健康指導をしてくれるというのはそれだけでも安心感がある。たっぷり1週間は悩んだが、結局今通っているクリニックで受けることに決めた。予約をしたのは平日の11時だったのに、クリニックの扉を開けると座る余地もないほど混雑していた。検査自体はあまり待たされることもなくとんとんと進んだ。しかし狭いクリニックなので、僕が視力検査をしている隣で、「乳腺エコーするので上半身裸になって横になってくださいね」と、カーテン越しに女性に話しかける看護師がいて・・・、ま、隣に裸の女性が寝そべっていたとしても興奮するような年齢ではないが、女性からすればカーテンを隔てて見知らぬ男がいれば気になるだろうなぁなんて考えていた。検査が終わった後の先生の診察は1時間くらい待たされた。ようやく名前を呼ばれると、・ 血液検査の結果は後日・ BMI値は要注意・ その他異常なしというお話しだった。実は数日前から変に痰がからみ、少し声がしゃがれたり、大きく息を吸い込んだり咳をすると胸骨や右肺、右頸部リンパ節あたりに鈍い痛みを感じていたので、ひょっとしたら肺転移したかもと、気をもんでいたのだが胸部X-Pの指摘はなかった。ほんとは胸のCTでも撮ってもらって安心したかったが、早期発見はその後の予後に影響しないらしいし、この症状も回復傾向にあったので一旦これで納得することにした。もう一つ先生に相談したのは、診断書の既往歴欄に「癌」って書かないで欲しいとお願いしたのだが、それはできないとのことだった。僕の病気のことは上層部は知っているが、僕の診断書を受け取る係の社員には知られたくなかったのだ。でもできないのなら仕方がない。先生の保健指導のついでに、〇 陥入爪の痛み止めとしてロキソニン〇 腱鞘炎の痛み止めにスミルスチックとロキソニンテープを処方してもらう。もちろんこれは保険診療扱いになる。また前回診察時に勧められた日本医療リンパドレナージ協会加盟の鍼灸院への紹介状も書いていただいていたので、お会計の時に受け取った。お会計は健康診断の部分だけで8,500円で、本来なら会社が支払うところを全額自費にしているので少々ふところが痛い。今、病気をしていない人へ。お金は多少かかってもちゃんとした人間ドックを受けて、「要検査」になった項目は放置をしないできちんと医師の指導を受けてほしいと思う。。もしも時間を病気になる前に戻すことができるなら、僕はきっとそうしている。大きな病気になってしまったら、人間ドックの何倍もの治療費がかかるし、それに・・・健康はやっぱりものすごく大事です。