148 乳がん患者、単身赴任を命じられる(その4)「主治医に転院を相談する」
2015.10.26今日でハーセプチンの16回目の投与になる。あと残り2回・・・予定通り、ハーセプチンは年内に終わりそうだ。朝、病院に到着するといつものとおり中央処置室へスピッツを取りに行く。朝の中央処置室は激混みで、あちこちの外来看護師が応援に来て流れ作業的に採血を行っている。多くの患者さんが採血待ちをしている中、僕はスピッツだけ受け取って悠々とケモ室へと向かう。周囲の「何あの人?」という視線にちょっぴり優越感を感じる。今日はマーカーを検査するのでいつもよりもスピッツが多く入っている。この病気になるまで全く知らなかったのだが、スピッツの中には血算や生化など出す検査によって異なる薬品が入っており、それはスピッツのふたで色分けされているのだ。<スピッツと診察券ですが、分かりにくいですね。ケースから出して撮ればよかった。>ケモ室で採血と問診をするのに、今日はケモ室の外で少し待たされた。しばらくすると車いすに乗った高齢の女性と、付添いの息子さんと思われる二人がケモ室に入っていった。お節介にも、「あのお歳で抗がん剤ってキツイだろうなぁ・・・」なんて思いながら、自分自身の治療を振り返る。抗がん剤もどんどん改良され昔ほど副作用はきつくないと聞くが、僕は40代でジムで体を鍛えていたから普通の人以上に体力もあったはずなのに、それでもやはり体力的にも精神的にもしんどかった。初発でなんの知識もなかったので当たり前のように抗がん剤を受けたが、再発してまた抗がん剤治療となると今度は慎重になるだろう。ケモ室で採血と問診を済ませると、今日はハーセプチンを投与してから3回目になる心エコーの検査を受けることになっていた。地下にある生理検査室で女性の技師さんに検査してもらう。初めての時は主治医以外の人に全摘した左胸を晒すのに躊躇したものだが、さすがにもう慣れた。それから約1時間後、血液検査の結果が出たので外科の診察室で主治医の診察を受けた。血液検査の結果は依然貧血気味ではあるもののその他は全く問題なし。腫瘍マーカーのCEAも正常値内であった。(CA15-3と1CTPの結果は後日)心エコーも問題はないと告げられ、いつものようにポートに穿刺をしてもらう。その後、主治医に幾つかの相談をしてみた。1 ハーセプチン終了後の転院のこと病院や主治医の考え方によって、その後の経過観察の方法は異なる。新しい病院の主治医からよく説明を受けてほしい。2 CVポート抜去のこと点滴が終わった後、再発のリスクが高い患者さんはすぐに抜くのではなく、1年くらい様子を見る方が多い。CVポートは1ヶ月に一度フラッシュの必要がある。(頻度は生食を使うかヘパリンを使うかによって変わるそうだが、この病院ではヘパリンを使うようだ。)この病院でもインフルエンザの予防接種が始まっていると聞いたので、主治医にお願いしてオーダーしてもらった。前回インフルエンザの予防接種を受けた時はアブラキサンの施行中だったので接種時期を考えてもらったが、ハーセプチンならいつ受けてもいいとのことなので、ケモの後に受けられるよう手続きしてもらった。100%の自費診療で4,500円也。(高っ!!)それからケモ室に移動して、ハーセプチンの投与が受ける。点滴を受けながらがん化学療法認定看護師さんに転院のことについてお話しを聞いてもらった。僕が考えている候補の病院には看護師さんのお知り合いが何人かいるようで、僕が冗談で、「んじゃ、主治医からだけじゃなく看護師さんも紹介状を書いてください」と言うと大笑いしてくれた。インフルエンザの予防接種の連絡が外科から回っていたようで、ハーセプチンが終わった後、そのままケモ室でインフルエンザの予防接種を受けられることになった。混雑している中央処置室ではなく、このVIPな待遇には気分がよかった。注射は針先が入る時の痛みは大したことなかったのだが、薬液を注入している時が少し痛かったかな。でもほんのわずかな時間・・・・3~4秒程度なのであっと言う間だった。今日はこの後放射線治療を受けた病院に移動し、採血と胸のX-Pを撮った。放射線科の医師の診察は水曜日に受ける予定だ。それにしても今日は・・・・採血が2回インフルエンザ注射が1回点滴のルート取りに1回と4回も針を刺されたことになる。ビビりで注射が大嫌いなはずだったが、さすがに穿刺には慣れたものだと自分でも感心する。