【脚本 演出】板垣恭一
【出演】川平慈英、浦井健治、紅ゆずる、宮原浩暢、小野塚勇人、福田えり、加賀谷真聡、宮野怜雄奈、元榮菜摘、菊池愛
好きな映画がミュージカルに。しかも川平慈英さんと浦井健治さんで。
事故により首から下が麻痺し車椅子での生活を送る大富豪フィリップ。知性と財産に恵まれながらも、彼は深い孤独の中にいた。ある日、介護人の面談に現れたのは学歴も経験もなく、刑務所を出たばかりのドリス。常識はずれの奔放な彼の態度に、周囲は戸惑うがフィリップはその飾らない率直さに心動かされる。
立場も価値観も生きてきた世界も全く異なるふたり。次第に心を通わせ、互いの孤独と希望に触れていく。
川平慈英さんがドリス、浦井健治さんがフィリップ。
紅ゆずるさんの秘書のイヴォンヌと3人以外の方々は7人で37役も演じていたそうです。
浦井さんのフィリップは繊細な表情の歪み、頬の綻びで、喜怒哀楽を表現していました。
事故で車椅子生活になり、首から上と右手指先のみしか動かないのに、こんなに表現できるのだなあと。絶望と悲しみ諦めの最初の表現からの変化が印象的でした。
川平慈英さんのドリスは明るさ、瞬発力、空気を持っていく力で、客席を巻き込んで力強く引っ張っていく、客席まで巻き込み、最強のふたりを成立させていました。
全く違う2人が心を通わせていく、2人の信頼関係が滲みでていました。
ミュージカルにするにあたっての音楽も印象的でした。アーチ型のセットの上での生演奏。音楽監修、作曲の桑原あいさんがコンダクターもつとめていました。
音楽は素敵なナンバーが多く、特に、なるようになると歌う「ケセラセラ」や、客席も一緒に開放感を感じる、「風になろう」が素敵でした。
一方で映画版とはかなり印象が違いました。映画版は、ドリスの背景にある貧困や現実の重さを、淡々と見せ、リアルさが最後のカタルシスをかなり強くしていた感じでした。
ミュージカル版は、演者にあわせてか、設定を少しずつ変えていました。ドリスの家族の関係も変えてあるし、川平慈英さんが演じるからこその、客席をも巻き込む演出は、作品への、共感、高揚感が強くなっていたかなと思います。
映画版が好きだからか、浦井さん、川平さん、逆キャストも見てみたいと思いました。この辺は好みの問題でしょうね。
