彩の国芸術劇場「ハムレット」 | 気のむくままに

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彩の国さいたま芸術劇場 『ハムレット』

【演出・上演台本】吉田鋼太郎
【出演】柿澤勇人・北香那・白洲 迅・渡部豪太・豊田裕大・櫻井章喜・原慎一郎・山本直寛・松尾竜兵・いいむろなおき・松本こうせい・斉藤莉生・正名僕蔵・高橋ひとみ・吉田鋼太郎


柿澤さんのハムレットの評判が良くて急遽チケットを探して観にいきました。予想を上回るハムレットでした。
瑞々しくて、哀しいのに愛おしい。そんな気持ちになるハムレットでした。

奥行きのある大劇場の舞台。セットは、宮殿を表す巨大な柱があらわれるだけで、それ以外のシーンはそのまま。音はあるけど音楽はなく。そして照明。


それだけに演者の言葉や動きがシンプルに、より強烈に響いてきました。
言葉のみで表現するハムレットという作品。
「尼寺へ行け」「生きるべきか死ぬべきか」「このままでいいのかいけないのか、それが問題だ」等、有名な台詞を聞いたとき、ぞくっとして感動も大きかったです。

柿澤さんのハムレット。
圧倒されました。言葉の届き方、動きの美しさ、そして強烈に伝わる熱い思い。復讐にとらわれ、、未成熟な青年は愚かだが純粋で、愛おしくて。品は失わない。
満天の星空で寝転がり見上げるハムレット、決闘のシーン‥ 今もふっと印象に残ったシーンがよみがえってきます。
ハムレットの最期。懸命に生きた末の結末の、全てを終わったというような、どこか解放され力が抜けていく姿に、なんだか泣きたくなりました。
終始目が離せないハムレットでした。

吉田綱太郎さんのクローディアスと亡霊。

彼の身体に染み込んでいる、さすがの台詞術。そして亡霊だけでなく、あんなに悪役のクローディアスなのに愛嬌があって。

何より、このハムレット、カッキーのハムレットを誕生させてくださったこと、演出の素晴らしさに、彼の作るシェイクスピアを又観たいと思いました。


今日が千秋楽、そして次の地へ。

1人でも多くの方が、今のこのハムレットを見られますように。