アガリスクエンターテイメント「失われない30年」
【脚本 演出】冨坂友
【出演】淺越岳人、伊藤圭太、榎並夕起、鹿島ゆきこ、古谷蓮、前田友里子、矢吹ジャンプ(ファルスシアター)、(以上アガリスクエンターテイメント)、江益凛、兼行凜、菊池泰生、北川竜二、斉藤コータ(コメディユニット磯川家)、雛形羽衣、山下雷舞
ナイゲンの配信を見たら面白かったんですよね。それからずっと気になっていた劇団でしたが、タイミングが合わなかったり、ちょっと迷ってしまったり。
一つの場所でおきる、シチュエーションコメディと聞いて、これは行くしかないと、連休後半のタイミングでチケット確保して観てきました。
内容にふれています。
新宿の雑居ビルの一室で起きる時間混在のシチュエーションコメディ。
2024年、時計しかない雑居ビルの一室から始まります。
この部屋の持ち主が、購入希望の方と待ち合わせの電話をしていると、メンテナンスの業者の方がくる。業者の方が点検の為電気のブレーカーを落とすと ‥
1994年かつてこの部屋を借りていた人と物が現れます。
まあ、バタバタと始まるなか、状況はそこにいる人も、私達も共有しながらわかってきます。
しかしこの空間のねじれはどうしたら元にもどるのか?わからず。このようになった時と同じにブレーカーを落としてみよう、ということになります。
すると、すると、ブレーカーを落とす度に、2004年、2014年と、どんどんその時に住んでいた人が増えていく‥。
暗転の度に、もう次は!と期待にわくわくです。
そして、其々の時代の人達が、今!早急になんとかしなくてはならない問題を抱えています。それをその場でなんとかしようとしていてばたばた。
1994年、闇金業者だったオフィスでは、売上金を紛失した従業員が走り回っていました。
2004年、風俗店の待機部屋では、接客したくない客を押し付け合う話しをしていました。
2014年、小劇場の控え室では、痴情のもつれで出演者が大量降板した中、上演を強行していました。
そして、1994年の人はその後に起きる事は知らないし、それは2004年の人も、2014年の人もで。
そのあたりも笑いに持っていく。そこは全てを知っている私は、その時代の人しか知らない秘密のようなものを、そうだよね!と共有している気持ちもありました。
とにかく、笑って笑って、楽しい作品でした。
情報量は多いのですが、上手く整理されてます。
そして、其々の時代を生きてきた私には懐かしいことが沢山。
又、ワンシチュエーションコメディでありなが、舞台転換が面白い。
それでいて最後は、あー!と嬉しくなる、ちょっぴり感動する終わり方でした。
その匙加減がちょうどよく。
配信も良いのですが、やっぱり舞台は生。
私の隣は、珍しく20才前後の3人組の女の子。いやーその子達が、やけにうけてたんですよね。
劇場内も笑いに包まれ楽しい雰囲気。観に行って良かったです。