ふじのくに⇄せかい演劇祭2024「友達」 | 気のむくままに

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観劇日記の様になってますが、気になりましたら、読んで頂けますと嬉しいです。

マイペースに更新しております。

楢山節考を観た後、休憩所で休憩してから野外劇場「有度」へ。
舞台芸術公園を歩いていると、普通に芸術監督さんや、上演前後の役者さんとすれ違ったりするのも嬉しいです。

森の中の野外劇場に気持ちは高鳴るばかり。

「友達」は1967年に発表された安部公房戯曲で、アパートで一人暮らしをしている男の元へ、家族を名乗る他人がやって来て男の生活や人生を乗っ取っていく物語です。
シスカンパニーが、加藤拓也さん演出「友達」を2021年9月に上演したのを観ています。豪華なキャストでした。

鈴木浩介さんが男。男におこる不条理に気持ち悪くなるくらいイライラ、ぞわぞわしたのを覚えてます。

今回は鳥の劇場・中島諒人の演出で、鳥取の鳥の劇場とSPACの共同制作により上演。私が存じあげていらしたキャストは父を演じた阿部一徳さんだけです。


出演:
SPAC[阿部一徳、大道無門優也、たきいみき、武石守正、三島景太]
鳥の劇場[中川玲奈、高橋等、小菅紘史、安田茉耶、後藤詩織]

18:30開演 20:20終演です。


始まる直前の劇場。





ほぼ男の部屋で進んでいく話で、部屋をどう表現するのかなあ?と思ったのですが、白い木の棒を上手く使っていました。何を言っても相手の都合の良い様に解釈される、その様子に最初笑が多くおきました。


野外での演出は、陽の暮れていくのを上手く使って、家族を名乗る他人が男を侵略する不気味さを、森の木に映る大きな人影で表現していると感じたり、

そして、どんどんがんじがらめになり、後半どうにもならない絶望的な状態になった時を、真っ暗な闇で表現。

もう鳥のさえずりもなく、空に光る星と静寂。その頃には気温も下がり、肌寒くなっているのさえ、作品に味方していました。

木に映る照明の綺麗さ。

自然と共生している「友達」は不気味さをパワーアップしている所もあるのに、劇場の広さや密室でないこともあってか、両者(男と家族)の関係やずれを楽しむことも出来て、楽しいと思う「友達」でした。

この感じ方の違いって面白いなあ。どちらの「友達」も貴重でした。


終演後の劇場です。神秘的な美しさでした。



終演後、無料バスで東静岡駅へ。

静岡グルメも観劇の前後に食べ、小旅行の観劇ツアーでした。

来年もまた行きたいなあー。