タケキャブは市販薬で代用できる? | 調剤薬局で働くママ薬剤師のお薬と子育て親育ちブログ

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昭和生まれ2児の母でもある調剤薬局勤務の薬剤師が市販薬や病院の処方薬、薬の飲み合わせなどお薬のこと、大好きなコンビニスィーツや思春期の子育てで感じることなどの日常のアレコレを書いているブログです。

薬剤師の安美です。

 

今日は薬のお話。

以前にも書いたタケキャブという薬の続きのような感じです^^

 

 

タケキャブは、かなり強い胃酸分泌抑制効果が期待できる薬です。

 

過剰な胃酸は、

胃の粘膜を傷つけたり、胃酸が食道に逆流したりして

胃痛や胃もたれなどの原因になってしまいます。

 

 

なので、胃痛や胃もたれにタケキャブのみたい!と

 

「タケキャブは市販薬で代用できるものがあるの?」

患者さんに聞かれることもあります。

 

 

タケキャブと全く同じ成分を含む市販薬は

残念ながらありません。

 

 

ただ、「胃酸の過剰な分泌を抑える」はたらきのある市販薬はあります。

 

H2ブロッカーと呼ばれる薬です。

 

 

タケキャブは、

胃酸を分泌するプロトンポンプを阻害して胃酸の分泌をおさえます。

 

対して、

H2ブロッカーは、胃粘膜のH2受容体にはたいて

胃酸の分泌を促す信号を遮断して、過剰な胃酸の分泌をおさえます。

 

同じ「過剰な胃酸の分泌を抑える」にしても

効き方が違うんですね。

 

 

 

 

H2ブロッカーの市販薬といえば、

ガスター10が有名です!

 

■ガスター10(ファモチジン)

 

 

 

・効能・効果:胃痛、もたれ、胸やけ、むかつき

 

・用法・用量
胃痛、もたれ、胸やけ、むかつきの症状があらわれた時に

1回1錠を服用

(1日2回まで)


ガスターは、成人(15歳以上、80歳未満)のみ服用可能です。
 

 

もうひとつ、市販薬のH2ブロッカーがあります。

 

 

■アシノンZ錠(ニザチジン)

 

 

 

アシノンの効果効能、用法用量は

ガスター10と同じです。

 

 

市販のH2ブロッカー、

ガスター(ファモチジン)とアシノン(ニザチジン)の違いを考えると、

 

アシノンには、胃酸の過剰な分泌を抑えるだけでなく

プラスアルファのはたらきがあり、もっとクローズアップされてもいい薬

と個人的には思っています。

 

それが、以下の二つのはたらきです。

 

・消化管運動亢進作用→消化不良で停滞した食べ物を胃の外にだす

 

・唾液分泌促進作用→唾液が胃に入り粘膜を保護する

 

 

市販のガスターかアシノンを選ぶなら、

個人的には、アシノンにしますね。

 

 

ただし、ガスターやアシノンなどのH2ブロッカーは

効果が持続するのが短く、使い続けると効果が弱まる(耐性ができる)とされています。

 

なので、市販のH2ブロッカーを使う時は

あくまでも一時的な胃痛や胃もたれなどの胃の不調に対して

とするのが大切です。

 

添付文書にも、

・3日間服用しても効果がないときは中止する

・2週間以上続けて服用しない

と注意書きがあります。

 

気をつけてくださいね!