一人一箱までの市販薬、風邪薬や鼻炎薬のまとめ買いができなくなった理由 | 調剤薬局で働くママ薬剤師のお薬と子育て親育ちブログ

調剤薬局で働くママ薬剤師のお薬と子育て親育ちブログ

昭和生まれ2児の母でもある調剤薬局勤務の薬剤師が市販薬や病院の処方薬、薬の飲み合わせなどお薬のこと、大好きなコンビニスィーツや思春期の子育てで感じることなどの日常のアレコレを書いているブログです。

薬剤師の安美です。

 

薬局やドラックストア、

amazon、楽天などのネットショップで、

一部の風邪薬や鼻炎薬のまとめ買いができなくなっています。

 

「おひとり様1点限り」という表示、見たことありませんか?

 

 

まとめ買いができない理由は、
「濫用等のおそれのある医薬品」を含む風邪薬、鼻炎薬だからです。

 

 

 

濫用等のおそれのある医薬品とは?


「濫用等のおそれのある医薬品」とは、
法に基づいて「濫用等のおそれのあるもの」として厚生労働大臣が指定する医薬品。


具体的にいうと、
適正な使用量を超えて濫用される可能性があるため、
原則として薬効分類ごとに1人1包装単位での販売が定められている市販薬
のことです。

 

2020年3月末時点で該当するのは、以下の成分を含む医薬品です。

・エフェドリン
・コデイン(鎮咳去痰薬に限る)
・ジヒドロコデイン(鎮咳去痰薬に限る)
・ブロムワレリル尿素 ・プソイドエフェドリン
・メチルエフェドリン(鎮咳去痰薬のうち、内用液剤に限る)

 

 

これらの指定された成分を含む市販薬は、
販売時の数量制限や購入理由の確認などがとられています。

 

数量制限=まとめ買い不可というわけですね。

 

 

 

どうして特定の風邪薬や鼻炎薬がまとめ買い不可となったのか?

 

 

「濫用等のおそれのある医薬品」では、

オーバードーズなど誤った使い方で依存や中毒のリスクが問題となっています。

 

また、覚せい剤取締法により、覚せい剤原料として所持、製造、譲渡等が禁止されている成分などもあります。
(10%以下を含有する物(漢方薬の麻黄など)を除く)。

 

適正な使用量を超えて濫用されると健康被害が起きる可能性があるので、

原則として、1人1包装単位での販売(まとめ買い不可)と定められています。



まとめ買いができないのは不便な点もありますが、
健康を守るためにできた決まりというわけですね。

 

 

鼻炎薬Aクニヒロは一箱限定でまとめ買い不可


 

以前書いたブログ記事に以下のコメントをいただきました。

「我が家は長年の、鼻炎薬のクニヒロをまとめ買いで愛用していたのですが、どこも一箱限定になってしまったようで…
まとめ買い可能な鼻炎薬探し中です。」

 

鼻炎薬Aクニヒロ

 

 

プソイドエフェドリンは鼻づまりによく効く成分ですが、

鼻炎薬クニヒロのプソイドエフェドリンが「濫用等のおそれのある医薬品」なので、

まとめ買い不可となっています。