こんにちは!
薬剤師の安美です。
コロナワクチン接種後の副反応に備えて
カロナール(成分名:アセトアミノフェン)の市販薬が品薄になったりしました。
別にカロナールじゃないといけないわけではなく、
ロキソニンでも問題ないのですが、
子どもの場合の発熱や頭痛には、カロナールがファーストチョイスになります。
というのは、
ロキソニンなどのNSAIDsという解熱鎮痛薬はインフルエンザ脳症、
アスピリンはライ症候群のリスクがあるからです。
ただ、安全性が高い反面、カロナールの解熱鎮痛効果はおだやかです。
カロナールは市販薬の風邪薬や頭痛薬にも
たくさん使われています。
ただ、意外とカロナールだけが入っている市販薬は少ないんですよね。
鼻水を抑えるために抗ヒスタミン薬、
咳を抑えるための咳止め成分、
痛みを抑える働きを強化する成分、
こんな感じで複数の成分が使われていることが多いです。
私は、子どもに使う薬、
市販薬の場合はとくに、
必要な成分だけ、できるだけ少ない方がいい
と考えています。
医師が処方する病院の薬と
自己責任で服用する市販薬はちょっと違います。
からだへの負担は少ない方がいいに決まっています。
なので、子どもの発熱や頭痛に市販薬を選ぶポイントは、
まずカロナールの成分、アセトアミノフェンだけが入っているものにすること、
これが大切です。
カロナールの市販薬として有名なのが、
タイレノールです。
タイレノールについて詳しくはこちらで解説しています。
→薬局で買える市販薬タイレノールAと処方薬のカロナールは同じ成分?
タイレノール1錠=カロナール300mgと同じです。
ですが、
タイレノールの用法用量には、15歳以下は服用しないことと書かれてあります。
市販薬は、自分の判断と責任で購入して使う薬。
なので、
効果よりも安全性が優先されています。
副作用のリスクを抑えるために、用法用量の設定が厳しいです。
決められた用法用量を守らなかった場合、
万が一、副作用が出た時に、
救済措置「医薬品副作用被害救済制度」の対象にならないという問題もあります。
子どもにカロナールの市販薬を飲ませる場合には、必ず用法用量を確認しましょう。
子どもが飲めるカロナールの市販薬で、
薬剤師の私がオススメする薬はこちらです。
■小児用バファリンCⅡ
1錠中に、アセトアミノフェンが33mg含まれています。
【用法用量:1回に飲む量】
・11才以上~15才未満:6錠(アセトアミノフェン約200mg)
・7才以上~11才未満:4錠(約130mg)
・3才以上~7才未満:3錠(約100mg)
*3才未満 服用しないこと
■小児用バファリンチュアブル
1錠中に、アセトアミノフェンが50mg含まれています。
【用法用量:1回に飲む量】
・11才以上~15才未満:4錠(アセトアミノフェン 200mg)
・7才以上~11才未満:3錠(150mg)
・3才以上~7才未満:2錠(100mg)
*3才未満 服用しないこと
小児用バファリンCⅡと比べると、7~11才の成分量が多め(30mg多い)になります。
チュアブル=水なしで飲めるということです。
オレンジ味です。
■バファリンルナJ
1錠中に、アセトアミノフェンが100mg含まれています。
【用法用量:1回に飲む量】
・15歳以上:3錠(アセトアミノフェン約300mg)
・11才以上~15才未満:2錠(200mg)
・7才以上~11才未満:1錠(100mg)
*7才未満 服用しないこと
7歳から15歳のお子さんの場合、
バファリンルナの方が1回に飲む錠数が少ないのが
メリットかなと思います。
たくさん販売されているカロナールの市販薬を
子ども用に選ぶ時は、
・カロナールの成分アセトアミノフェンだけの薬、
・子どもの用法用量が明記されている、
この2点に気をつけてくださいね!