駆け抜けたよ……「BEASTERS」最終回 | まぶたはともだち

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・BEASTERS #1~22

ルイの必死の訴えを見て、裏市に草食獣たちが殺到した。肉草入り乱れた暴動になりかけるも、“ビースター”ヤフヤの身を挺した行動で落ち着きを取り戻した群衆。しかし、その群衆に紛れていたある特徴的な角を持つガゼルに目が留まり…?
動物版青春ヒューマンドラマ、完結。

 

今晩いよいよアニメ2期スタートです。みんな、録画の準備は済んだかな?

 

 

おととしくらいかな、友人とこの作品に話が及んだ時に「あれは今度クジラが出てくるんじゃないかな」って言われたとき、本当にびっくりしました。

なぜならチャンピオン本誌でクジラが出てきた直後だったからです。彼は聡明だな~と思いました。

 

 

いやしかし4年間、あっという間でしたね。

板垣巴留先生は、完全に親父越えを果たしたと思います。

これ絶対バキのシャドーファイティング意識してるだろ

 

動物を擬人化した作品、というだけなら過去にもいくつかあるでしょうが、その舞台設定を持って全く新しい、物語を描いたという点は特筆に値します。

これより面白いマンガはあるかもしれないけど、これより斬新だと言える作品を拝む機会は金輪際ない気がします。ましてや週刊少年誌でね。

 

作者がインタビューで食殺事件が決着する11巻で終わるかと思った、という旨をたびたび語っていましたが、率直に申し上げますと以降のメロンを巡る騒動は読ませる、考えさせる話ではあったものの締めくくり方がやや唐突で、終盤は「これで本当に世界は変わるのか?」と肩透かしを食った印象が。

 

時間の流れ的には、レゴシが退学して社会に出てからまだ数か月しか経っていないし、ヤフヤ・ゴーシュという庇護してくれる存在を考えると、まだメンタル的にもう一皮むける余地があるんですよね。

もう一ステップあるべきなんですよ、最終章に相当する部分が。

レゴシが社会に溶け込んで、ハルちゃんともうまくやりつつ、ルイたちとも連絡を取らずともなんとなくお互い頑張ってんな~って認知して、そこで本当の本当に残酷な出来事が発生する、みたいなの。

ルイとレゴシがタイトル回収するシーンは屈指の熱い場面だから絶対に観よう。

何巻か分からんけど

 

なんだろう、食殺事件の犯人が認めがたい悪党であった一方、メロンは冷酷ながらも社会のひずみが生み出した憐れむ対象でもあり、あいつをとっちめたところで丸く収まる、っていうのがなんだか。

いやそんなに綺麗に丸くは収まってはないんだけど

ヒョウとガゼルの合いの子、メロン。

忌み子ともいうべき存在はあまりにも見ていてつらかった

 

あと前述の通り、海洋生物の存在が明かされつつもあまりストーリーにかかわってこなかったのも消化不良感が。

いやだって「肉食が~」「草食が~」っていう本能に根差した対立を延々とやってるのに、そこで第三極が登場したらそれだけで面白いに決まってるじゃないですか?

 

……いや、単純に「もっと面白いから続きが読みたい」って言うわがままに理屈をくっつけてゴネてるだけのような気もしてきました。

とりあえずこの辺にしておきます。お疲れさまでした。