・かくしごと #8
(姫ちゃんがバレンタインのチョコをマンガのキャラクターに送ろうとしているのではないか?という話題に際して)
「なんか そんな気配全くないんだよなぁ 観てるアニメも子供向けだし」
「やっぱジャンポは年齢的にまだ早いんじゃ」
「見ててもせいぜい名探偵コランくらい」
「それだ 急に女子に人気出たキャラがいるじゃないですか」
(後藤先生、おもむろに週刊少年サタデーを取り出す)
「私立探偵安諸とおる 実はコランの命を狙う"呉の組織"のメンバー コードネームは『ホッピー』
敵かと思わせていたその素顔は秘密警察部署 通称ジェロ所属の『振谷レイ』
イケメンハーフ29歳 ボクシング ギター演奏 お菓子作り ボルダリング 電車の運転 全てがプロ級
主役級の映画はシリーズ史上最高観客動員 付録が付くとサタデーは売り切れ」
「なんだよスポーツ万能でイケメンハーフでトリプルフェイスって こんなベタベタな設定で人気爆発なのかよ
あーーやる気失くす こーゆうよく分からんブースト(原文でも太字)で他人の作品が売れるとやる気失くす」
(P83-84)
7巻以来、5か月ぶりに読みました。発売されたのは4月なので、もっと早く読めましたね。
おこづかいの話、節分の話、バレンタインの話、家族会議と編集会議の話の4本立て。
おこづかいの話は素直で聞き分けの良い姫ちゃんの姿に逆にハラハラさせられました。父性を刺激された人も確実にいたことでしょう。全く飽きさせません。
巻頭のカラーページでは、ついに後藤先生の現在が明らかに。
なぜ筆を折ってしまったのか、そして先生の妻は……。
一気に明かされた核心は、半端なミステリーモノより鮮やかでした。
考えてみれば、雑誌派のボクが単行本で追っている数少ないマンガなんですよね。
他は1年に1冊出るかどうかの「微熱空間」のみ。
(「ヤマノススメ」と「おおきく振りかぶって」も買ってるけど、それぞれアーススターWEBとコミックDAYSで先に読んでいるので)
ウケ要素の足し算ではない、実に練られた味わい深い作品ではありますが、それはそれとして本作は「後味の悪くならない程度の自虐ネタ」「家族愛」「ほっこりするオチ」という、現実に疲れた私たちにピッタリの作品だと思うのです。あとはメシテロ要素あれば完璧だな。家政婦さんが急成長する話とか
マジで深夜帯でドラマになると思うんだけどなー俺はな―。
もちろんシャフトがアニメにするんでも当然良いわけですけど!
かくしごと(8) (月刊少年マガジンコミックス)
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